ポストアップに対するディフェンス~ダブルチームによって勝負を変えさせる~MHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクのディフェンスより4

スキルアップ ディフェンス戦術 片岡 秀一

前回に引き続き、ドイツリーグ及びBASKETBALL CHAMPION LEAGUEにも参戦しているMHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクの試合を題材にしたいと思います。

ポストアップに対するディフェンス1~MHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクの試合より~
ポストアップに対するディフェンス2<ポストへのヘルプ~ローテーション>
ポストアップに対するディフェンス3~終始徹底したクローズアウト~

同チームは、日本バスケットにも縁のあるジョン・パトリック氏がヘッドコーチを務められており、非常に激しいディフェンスが特徴です。
参加されているリーグの中でも、人件費の予算が潤沢ではない中で好成績を残されており、注目を集めている存在の一つと伺っています。

また、東海大学男子バスケ部の陸川章監督も、同氏からディフェンスに関して様々なことを教わっていることを折に触れてインタビューで明らかにされています。

様々な特徴や工夫を通じて好成績を残されているはずですが、インサイドで優位な相手チームのポストアップに対するディフェンスの攻防を中心に扱っていきます。

実際にインサイドにボールが供給された際の攻防を題材とし、インサイド選手のスペーシングを解説します。

1.プレーの構図

2.プレーの流れ

図のようにインサイドでボールを保持する形を作ります。
X4は、4が少しでも苦しいポジションになるように、まずポジション取りで戦います。
ボールが4に渡ったすぐに、X3がダブルチームの準備をスタートさせます。

4は、ダブルチームの存在を把握し視野を確保しています。
そのうえで逆サイドコーナーへ正確なパスを出すと、ディフェンスはX3ではなくX1がローテーションでマークします。
そして、1へのパスにはX2が、2へのパスにはダブルチームの対応をしたX3がマークします。

3.まとめ

結果として3Pシュートは決まりましたが、このポゼッションの肝は勝負する局面が変わったことに意義があるのではないでしょうか。

ダブルチームを用意するという事は、このままインサイドで勝負をさせた際にジリ貧になってしまうという判断があったと考えられます。

もちろん、インサイドX4がポストの攻防での1対1を守れた可能性もありますが、高い確率で失点するという判断があったのではないでしょうか。

チームのルールの中で、ダブルチームを用意する事でオフェンス側が対策が講じられていることを予期し、別のプレーに切り替えさせる意図があったと考えられます。

もし、最後のクローズアウトが間に合い、少しでもシュートタッチを狂わせることが出来ていれば、ディフェンスの成功になった可能性もあります。

上記を実現するプレーとして、X3の動きに注目してみましょう。

ボールがコーナーにパスをされたことを確認するとすぐに、視野を確保し自分が優先的に向かうべき選手に向かい、一瞬の時間のロスもなく疾走しています。

この場面では、オフェンスチームのパスが非常に円滑であり、余計な時間も要しませんでした。

もし、

  1. コーナーへのパス
  2. ウィングへのパス
  3. 最後の横方向のパス

と、そのどれもが少しでも乱れていれば間に合った可能性も高いです。

高さやパワーとの戦いからタイミングや時間を巡る戦いに推移していることが、非常に興味深いポゼッションといえるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)