スペインピック&ロールからのアシストパス~アジアカップ日本女子代表のオフェンスより4~宮崎早織選手

オフェンス戦術 スキルアップ 動画 片岡 秀一

本稿では、女子日本代表チーム対韓国戦で使われていたスペインピック&ロールより、宮崎早織選手の見事なプレーを題材にしたいと思います。

ENEOSでの緩急を織り交ぜたプレー等の活躍もあって、東京五輪のメンバーに選出。

事前の親善試合では、パス、コントロールなども。五輪ではあまり多くの出場時間は得られませんでしたが、出場した時間では脚力で存在感を発揮。

若手選手を中心となったアジアカップでは正PGとして存在感を発揮。見事、大会のベスト5にも選出されました。

ハイライトに登場したプレーの流れを分析することで、宮崎選手の素晴らしいパフォーマンスの一部をご紹介します。

1.プレーの構図

スペインピック&ロール後のアシストパス1 スペインピック&ロール後のアシストパス2

2.プレーの流れ

ピリオドのラストのプレーとなりました。図のような形でスペインピック&ロールが準備されていますが、普段とは異なる構造です。

ディフェンスの特徴を踏まえての構造なのか、または3Pシュートを得意とするオコエ選手の活かすことを優先したシフトであるのかは定かではありません。

宮崎選手のドリブルに対し、オコエ選手をマークしていた3人目のディフェンスが待ち構えています。オコエ選手はトップに出ます。

ここで、ゴール下の攻防とトップ付近の攻防の両方を考察してみましょう。

トップ付近では、オコエ選手に対し2名のディフェンスがマークしようとする様子が見られます。
ディフェンス同士は必死のコミュニケーションの後に、リング方向へ戻ろうとする様子が見られますが、宮下選手よりもリング後方にいます。

リング付近では、宮崎選手が自分をマークしてくる選手を一度確認します。
大きな選手がマークをしていることを確認し、再びスピードアップしてリングへ向かいます。
X3の注意を完全に自分に引き付けたのち、後方へ華麗にパスを通しました。

3.まとめ

本プレーの素晴らしさは、宮崎選手がコート上の状況を咄嗟の中で捉え、即座に創造性溢れるプレーを選択したことに素晴らしさがあると感じます。

もし、予め2対1のドリル等で類似のシチュエーションが組まれた場合、今回のような創造性溢れるプレーも決して珍しくはないかもしれません。

しかし、5対5のゲーム中であり、Xの選手がマークをしてくることとトップにいる選手の受け渡しの影響で、宮下選手がノーマークであることは咄嗟に出場したチャンスです。

そこに即座に気が付き、素晴らしいアイデアで遂行したからこそ、ハイライト等でも頻繁に使われる美しいプレーになったといえるでしょう。

技術的な部分であれば、ランニングステップをするタイミングを非常に慎重に使い分けていることが挙げられます。

もし、Xの状況を見ずに最初のスクリーンを交わした瞬間にランニングステップをしてしまった場合、今回のようなプレーを導くことが難しかったはずです。

以前、FIBAの中で日本女子バスケット界のポイントガードの系譜が紹介されたことがあります。

  • 大神雄子さん
  • 吉田亜沙美さん
  • 町田瑠唯選手
  • 本橋菜子選手
  • 藤岡麻菜美さん

などの国際大会での活躍が紹介されました。

日本の女子バスケット界は「とんでもない才能のある選手を輩出し続けている」そして「その傾向は、まだまだ衰えることがないだろう」とあります。

また、「上記の5選手の次にもまだまだ次の選手が控えています」と表現がありました。

それでも、この次に記載されている選手は、宮崎早織選手よりも若い世代の選手が紹介されていました。

国際バスケットボール連盟の専門記者としても、宮崎選手の大躍進は予測しきれなかったのかもしれません。

参考

Past, present, and future of Japan’s point guards

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)