スペインピック&ロールを巡る攻防1~女子アジアカップ日本vsオーストラリア戦より~
国内女子バスケット界では、年間の2大タイトルの一つである皇后杯が最終局面を迎えています。12月15日から19日まで開催され、2021年度の王者が決まります。
東京五輪で活躍をした代表選手の全員が国内リーグに所属しています。
バスケットボールファンは勿論、東京五輪でバスケットに関心を持った方も多いと聞きます。熱戦が繰り広げられることを期待しています。
本稿より、女子アジアカップ準決勝「日本対オーストラリア」を題材とします。
題材は、あと少しだけスペインピック&ロールの攻防を取り上げ、攻防の深淵の一部を紹介できるように試みたいと思います。
遂行力の高いスペインピック&ロール~アジアカップ日本女子代表のオフェンスよりより1~ マークマンの動きを把握!?スペインピック&ロール~アジアカップ日本女子代表のオフェンスより2~ スペインピック&ロールが成功しなかったプレー~アジアカップ日本女子代表のオフェンスより3~ スペインピック&ロールを仕掛ける前、ボール保持後の攻防~日本女子代表のオフェンスより4~ スペインピック&ロールからのアシストパス~アジアカップ日本女子代表のオフェンスより5~
1.プレーの構図
2.プレーの流れ
ポイントガード#32宮崎早織選手より、インサイドの#3馬瓜ステファニー選手にパスが出されます。
その後、図4(#81宮下希保選手)が宮崎選手にバックスクリーンをセットします。
宮崎選手はリング下を通過し、パスをしたサイドのコーナー付近へと向かいます。
パスを受けたインサイドの選手に対し、3Pシューターのウイング#27林咲希選手がスクリーンを仕掛けます。
その後、林選手はペイントエリアに侵入していきます。
スクリーンを受けた馬瓜ステファニー選手に対し、最初にパスをした宮崎選手がボールを受けます。
#81宮下希保選手が宮崎選手に対してスクリーンをセットすべく配置します。
ここで、本稿でお馴染みのスペインピック&ロールの配置となりました。豪代表チームはスイッチで対応します。
宮崎選手に対し、X4の選手がマークをする格好となりました。
※本稿では、オフボールスクリーンのディフェンス対応は割愛させていただき、スペイン ピック&ロールの攻防の部分だけを取り上げます。
スクリナーの選手には元々のボールマンのディフェンスがマーク、林選手には林選手の元々のマークマンが付いています。
その後、林選手がボールマンにスクリーンを仕掛けます。
インサイドの選手としても予期せぬ事態だったのでしょう。
また、X3の選手もスイッチをする準備が出来ていなかったため、宮崎選手が3Pシュートを決めました。
3.まとめ
大会も終盤となり、オーストラリアは日本女子代表のスペインピック&ロールに対し、明確な指針を持ったうえでゲームに挑んでいる印象を抱きました。
セオリー的には、スピードのある宮崎選手と、サイズのあるインサイドの選手という構図になりました。
しかし、予めそれに対してビッグマンの選手も覚悟や精神的な準備が出来ている印象を抱きました。
上記のように、映像等の情報収集もしやすい現代では、予め自チームのオフェンスに対する対応策を準備されるのがスタンダードといえるかもしれません。
最終的に林選手のスクリーンが効き、3Pシュートを放つチャンスに繋がりました。
もしここで、X2の選手がスイッチをする用意が出来ていれば、スピードのミスマッチも無くなります。
ただし今回のように、咄嗟の場面でディフェンス側の対策が遅れると、オフェンスにチャンスを与えてしまいます。
オフェンスとしては、その隙を見逃さないことが重要といえるでしょう。
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株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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