FIBA-OQT決勝「イタリア対セルビアより」~イタリアのディフェンス6~

スキルアップ ディフェンス戦術 動画 戦術 片岡 秀一

セルビア代表チームがダブルドラッグと呼ばれるオフェンス戦術を活用してきた際の、イタリア代表のディフェンスに着目したいと思います。

本プレーも、スペインピック&ロール同様に、複数人のオフェンスが一つのオンボールスクリーンに関わることで、ディフェンス側としては困惑しやすいプレーです。

NBAでは、ゴールデンステイトウォーリアーズが積極的に用いているシーズンがありました。

また、日本女子代表チームでも2020年シーズンの国際大会で頻繁に見受けられたプレーとなります。

1、プレーの構図

2、プレーの流れ

イタリア代表の守備戦術の前に、オフェンス側の狙いを記載します。

図のように、ボールマンに対してスクリナーが連続して並びます。
その際に、一人はリング方向へロール(ダイブ)、もう一人はポップをすることで、ディフェンス側の対応を複雑にする狙いです。
もちろん、ドリブラーに突破力があればそのままゴールへのアタックを狙います。
コーナーのディフェンスがヘルプに来ている際には、自らフィニッシュをするか、コーナーの選手へのキックアウトパスを狙える戦術です。

上記を踏まえ、イタリア代表チームの守備を見てみましょう。
まず、一人目のスクリナーのディフェンスであるX5はゴール方向へと下がります。
次に、X4の選手が2つ目のピック&ロールに対してヘッジをしてドリブラーの自由を防ぎます。
元々のマークマンであるX1は、その隙にドリブラーに追いつきます。

ここで、2人目のスクリナーである4はゴール方向へロール。
1人目のスクリナーは3Pエリアの外にポップしました。
ヘッジをしたX4は、直ぐにコートの状況を見たうえで5の選手へとマークをします。

セルビア代表は、4へのパスを狙います。
しかしX5が見事にパスをカットしました。
また、X2の選手もゴール下の方向へ守備位置を変えています。
もちろん自分のマークである2は空けてしまうことになります。
おそらくパスが出てからでもマークに間に合うという判断なのでしょう。
見事にスティールをし、ファーストブレイクへと繋げました。

3、まとめ

パスミスをすることになった選手は、今シーズンのユーロリーグでMVPに輝いたヴァシリイェ・ミチッチ選手です。
ルカ・ドンチッチ選手同様に、卓越した判断力とスキルを武器とする選手です。
その選手ですら、動画のようなミスを誘ったイタリア代表の見事なディフェンスといえるでしょう。
ヘッジディフェンスの影響、ボールマンの影響が、時間と空間に制約を与え判断を誤らせたといえるでしょう。

上記の守備について、事前のスカウティングが何処までなされていたのかは定かではありません。
しかし、

  1. ヘッジするディフェンスに対して周りの選手がヘルプしてロールのスペースを潰す。
  2. ヘッジをする人は、ドリブラーの自由を奪い、シュートエリアから遠ざけ、元々のマークマンがドリブラーに戻れるようにする。
  3. ヘッジをする人は、決してブロッキングやハッキング等のファールをしない。
  4. その後、ローテーションをする

という基本通りのプレーで見事に守りました。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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