【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 幼い頃の遊び方がいまの成長の大小をつくっている(上)
今回は子育てというジャンルを、ひとつ念頭において話してみたい。
このメルマガは主にバスケットボールに関わる読者が対象であり、私の立場は体力トレーニングのコーチ、運動技術能力を育てる専門家ということである。
ただ私の考え方は、それらを伸ばす為にはまず己の生き方、人の生活上からすべて育てなくてはいけないと思っているし、長年の経験からもそのように判断している。
それは客観的な事実でもあり、バスケットボールの競技力向上や運動能力の発達を目指す上で、やはり教育や自己成長、子育てといったワードは避けて通れない。
さて今回のテーマは「遊び」としたい。
以前にも、子どもたちの遊ぶ場所のひとつである「公園」が無くなっている話をしたことがある。他にも関連する話題はいくつも出している。
幼少の頃に誰しも遊びを経験しているわけだが、それがじつは今のあなたへ大きく影響しているということを考えてみたい。
▼成長の原則は自分で学び取ること
物事を習得する一番大きな要素は、自分から学ぶということである。これはいつも言っているし、このレポートでも幾度となく記している。教わるからあなたの脳や体が良くなるのではなく、あなた自身がそれを育てることで唯一成長する。
このことは「意欲」という言葉でよく表現される。興味とはまったく違う。そそられている段階から一歩踏み込み、実践の段階に入っているときが意欲である。
この状態は大きいほど成長が見込まれるし、実際ものの習得も断トツに早い。ステップアップの勾配は、才能とかセンスではなく意欲がカギとなる。
大事なことは、意欲は外の影響ではない。自分の意欲は自分の中から育まれるものであり、意欲の湧くものが外の世界にあるのではない。
思い違いをしている人は、自分の意欲が湧かないこと、我が子の意欲が湧かないことを外の触れるもの(体験)がマッチすればいずれ意欲が湧くと信じ、そしていつまでもそれはやってこない。
意欲の湧くものといつか出会えるという感覚は大きな認識の誤りであり、本当はあなた自身の内側の問題である。それを幼い頃によく経験した人と、そつなく大体でやってきた人との差が、いまのバスケットボールの成長を決定づけていると言ってかまわないだろう。
成長の原則は自分で学び取ること、その一点だ。
▼学ぶ遊びの経験は貴重
あなたは歳の幼い頃に、どのようにして遊んできたか。
いまは小学校入学と同時にスポーツクラブへ入るケースも珍しくないが、パターンとしては10歳くらいまでは競技というより遊びを多く経験し、小学校の高学年あたりから本格的に競技へと移る。
都市部ではこれがもっと早くなるだろう。
さて前置きがやや長くなったが、本レポートで投げ掛けたいのは、遊びが学びとなっている人と学びのない遊びの人で、競技に入ってからの上達に大きく影響するかもしれないという仮説である。
遊びとはデタラメとか雑みたいな意味で使われることが多いが、私は自由であるかどうかだと考える。つまりここまで書いてきたように、自分で学び取っている人は自意識があるから自由が大きく、人に鍛えられてようやく身につけてきたという人は、他力が主なので不自由が大きい。
だからクラブチームや学校や塾は、遊びではない感覚があると思うが、場所はどこであっても自分から勤しんでいるものは広義で遊びと言える。
ここでは遊び方というものが重要となる。なんでも積極的にやってみる人は反復されて上達する程度も良いし、脳が刺激されて発想と工夫も生まれる。経験値が重要とされる理由はここだ。
その習慣がつけば、中学になり高校になりとカテゴリーが変わっていったときに大いに活きて、その都度の難題をクリアする原動力となるだろう。これも才能とか遺伝ではなく、幼い頃に身につけた素養である。
▼あなたはどのようにして遊んでいたか
スポ少に早くから入部していたから、歳が上になってもより上達すると思っているなら考えを改めるべきかもしれない。
それで伸びなくて、やっぱり遺伝や生まれ持ったセンスということで自分を納得させる人がたくさんいる。
でも違います、本当は遊びの初動を誤ったから。
自ら物事を掴んだ経験の数で、意欲の大きさが決まり伸び方も決まる。遊びをどんなものとしておこなってきたか。これは親の手出しも大きく関係していると言えそうだ。
子育てを考える上で、また自己成長をつくるひとつの可能性として、さらに深掘りしていきたい。
今回はここまで。
▽「公園」に関する記事
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