【梅原トレーナーのからだづくり哲学】子供の遊び場《公園》を皆で考えよう(中)

スキルアップ 指導者 梅原淳 育成法

※この記事は、新型コロナウイルスが感染拡大する前に執筆した記事です。

公園でのボール遊びが禁止され、元気な声が近隣の騒音だと言われ、公園がもはや何をするための場所なのか使い方がわからなくなってしまった末路が、公園の荒廃なのではないだろうか。

遊ぶための場所なのに遊んではいけないなんて、こんな不条理はない。面倒事を避ける、もしくは面倒というほどでもないことを大げさに捉えて、はじめから何も起こらないように何もさせないという、実に閉鎖的な意識が強く伝わってくる。

なんとも無茶苦茶な世の中になりつつあるが、この流れを止めること、国民全般的な意識をプラスに持っていくことが現実的にできるだろうか。

昔からあった公園の周辺に新しくマンションが建ち並び、ボール遊びを禁止され、声を出すなと看板が立てられたとして、その地域住民たちで再度話し合い、説得もし、多数の理解のもとルールを変えていくなんていうことは、おそらくできない。

では何ができるのだろうか。

▽目的を分けた専用公園をつくる

ひとつには、これからの町づくりにおける住環境整備のかたちとして、計画的にボール遊びや元気な声を出して走り回れる「子どもの遊び場としての公園」を設ける必要があるだろう。

これまでの公園という場所は、様々な性質のものを受け入れていた。社会秩序を人同士が守りまた少なからず理解し、お互いに分け合って生活してこられたので、公園を誰が管理しなくとも規則を作らなくとも、皆で許容して使ってきた。

現代はそれが無くなりつつあり、あまりにも物事の考え方や価値観がかけ離れ、さらには自分だけを守るとか自分の都合を優先とするという発想も強くなっている。

日本人皆で一致している生き方の社会的・精神的土台が、どんどん小さくなっているように思う。許容し合う範囲が狭いこと、一致点が少ないこと、そういう時代になってきている象徴のひとつが公園なのかもしれない。

これからの時代、すべてが「それ用」じゃないと動けないのならば、そうするしかない。

子どもだけが使うことのできるボール遊びをする公園、元気に声を出して鬼ごっこをする公園、お年寄りがゆっくり散歩をしたりイスに腰掛けたり、本を読むことのできる公園などと、予め使用目的、設置目的を明確にすることで使用者の棲み分けをする。

特定の誰かには利益があって、誰かは苦い思いをしている今の状態では不健全である。お年寄りにも子どもにも、中年層にもそれぞれに良い場所と時間を用意することができれば、この問題は一歩前進する。

▽自分の生活に合った居住地を見つける

もうひとつには、肌に合うとか希望に添う地域に住むということも、将来的には考えなくてはいけないかもしれない。

子どもが生まれてからマイホームを建てたりマンションを購入したりする家庭は多いと思うが、転居する際に子どもにとっての住みやすさを考慮して地域を選んでいるご家庭はどれくらいあるだろうか。

現代の私たち親世代は、自分の育った地元・実家を離れて暮らす人も多い。

さらに住居を購入するとなれば、今の場所からまた遠く別の場所へ移ることもある。希望の物件が近くにあるとは限らないからだ。実際はほとんどがそうだと思う。

我が子に良い環境を与えたいと親は常考えるが、それは主に学校のことを気にしていて、遊び場があるかなどまでは考慮しない。

そしてふたを開ければ子どもが自由に遊べる場所がなく、あれやこれやと禁止にされ、周辺住民も何かにつけ口うるさくて、どうにも息苦しい生活になってしまったということも十分にあり得る。

なぜそのようなことが言えるかというと、規制や禁止というある種の拒みのようなものは、必ず人同士のコミュニケーションの減少から生まれるからだ。

人付き合いが濃く、繋がりが深いほど人は分け合い許し合う。家族ぐるみでよく知った仲であること、また近所に住んで同じような生活をしているというだけでも、親近感と一体感のようなものが芽生える。

ひとつの町内で長く同じ人々が住み、幼い頃から成人するまでを皆で見届け、社会人になってもそこに住み続けていくと、そこには積極的な交流が生まれ、人付き合いは自然と濃く深くなっていく。

そういった場所に、今取り上げているような公園の問題は起こらない。育った地元でないためにあまり近隣と付き合いもなく、次々と越してきては出て行きと入れ替わるから互いに顔も知らない、そういう地域であるからこそ自分の都合だけを守るようになってしまう。

人との関わりを断ったり、自然と疎遠になるような生活になってしまったりと、社会の中で暮らしながら社会のコミュニティから脱している人が実は多い。あなたはご近所さんの顔をどれくらい認知しているだろうか。

人付き合いのできる住環境という視点を、これからは真剣に考える必要がある。

さらに次号で進めていきたい。

(了)

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