「ドリブルをこねるためにドライブが遅くなる」【梅原トレーナーのからだづくり哲学】TR.110
こんにちは、梅原淳です。
前回のレポートにてドライブ・スピードについて書いたあと、もうひとつ、重要なポイントとなるドリブル要素を思い出したので、本号ではその要点のみ手短にお伝えしたいと思います。
前回はドリブルのつき方が弱いということを指摘して、それが走る動作へ意外にも強く影響しているためにドライブにスピードがない選手が多い、というヒントを提示しました。
弱いとどうして走るのが遅くなるかと言うと、ひとつはリズムの取り方が鈍くなるからです。リズムが鈍いという表現の意味合いは、もはやリズムが無くなっていると解釈してください。
要するにリズムが取れていない、リズミカルに走れていないということです。
私はリズムについても以前にレポートしています。
(参考1)「リズムで刻むステップの差」【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニングレポート No.94
(参考2)「リズムと音で覚える運動技術」【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニングレポート No.95
運動でリズムを意識する場面があまりないと思う人は多いかもしれませんが、実際はただ走る動作や投げる動作であっても、力の入れ方、動作の緩急、腕や脚の軌道には、自分の馴染んだリズムがあります。
遅く走るのと速く走るのをコントロールできるのは、脚を上げ下げする動作の速度を自分で変えられるからですよね。遅いときの踏み方のリズムと速いときのリズムを、ちゃんとコントロールしているわけです。
ここが、ドリブルが弱くなることでリズムが鈍くなるために、本来の素早いダッシュをも失わせてしまうのです。脳の意識は、緩いドリブルのほうに寄ってしまうということです。
今回のポイントもそれと同じです。
じつは弱いドリブルともうひとつ、「こねるドリブル」が走りを重くしてしまうケースがあります。
こねるドリブル
ドリブルをしているとき、ただ真下へ叩いているだけのときも手首でボールをちょっと回すようにする人がいます。
これは大半がそうであり決して悪いものではなく、腕を柔らかく使って力の流れをスムーズにするために誰でも自然とそのような動作になります。
ただこの作用が強くなる人がいて、必要以上にこねてしまってドリブルのリズムが鈍くなります。これもほとんどリズムを失っていて、走る動作もギクシャクとさせてしまいます。
パンチのドリブル
自然な動作ですので、直線的にドリブルをついてもわずかに手首を回す動きは起こります。その程度にとどめて、ボールをリズミカルにタン!タン!と強く叩けば、スピードにも乗れます。
ボール・ハンドリングを練習するときに手首を使うので、そのクセが強くなっている人もいて、ドライブ・スピードにマイナスを生んでいるケースがあります。
身についてしまっている動作なので本人は気づいていない場合がほとんどで、教えてあげないと直ることはほぼありません。
強くリズミカルに、さらに「直線的」にパンチするドリブルを、毎日100回おこなって体に覚え込ませましょう。
最後に参考動画を載せておきます。
あえて長くアップしました。見るだけならば単純な動作で簡単そうなのに、けっこうきつそうですよね。ドリブルには肩の持続力が必要です。
これからの手がかりにして、引き続き個人練習に励まれてください。
コロナ禍ではとくに個人練習、体力づくりが中心になります。自己投資をしてたくさん成長してくださいね!心から応援しています。
それでは今日はここまで!
(了)
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