【梅原トレーナーのからだづくり哲学】にわかメンタル(下)

スキルアップ トレーニング メンタル(心) 梅原 淳

(承前)
【梅原トレーナーのからだづくり哲学】にわかメンタル(上)
【梅原トレーナーのからだづくり哲学】にわかメンタル(中)

メンタルの話をしてきて、今回はまとめとなり短いレポートになる。私のレポートは基本的に1,800字を超えないように配慮している(たまに大幅に超えてしまうこともあるが)。本レポートも前回で一気に掲載しようと思ったのだが、読む方が疲れてしまうことを懸念して、短くなるが別号に分けることにした。どうぞ全三編としてご覧ください。

苦しまずに成長はない

私はメンタル・トレーニングを軽くみているのではない。否定的でもなく、実際は真逆で現場に最重要な取り組みだと考えている。

人の行動は脳の状態で決まるからだ。

大事だと心底知っているからこそ、世間に広まるポピュラーなそれにおいても、有益な情報として良き使われ方をしてもらいたいと願う。

何か大きな目標を持ちそこへ歩みを進めれば、必ず困難や壁が訪れる。それを免れるすべはないし、苦しい思いをしないで高みに登れることはない

スクリーンに映るトップアスリートたちが順調に見えても、それは表の面であり、私たちにはそこしか分からないが実際は血の滲む努力があり、挫折だって経験する泥臭い現場なのだ。

巷に広がる気安いメンタルの作り方など、微塵も存在し得ない。

これはまさかトップ選手だけの話ではなく、身近な私たちの生き方にあっても一切なにも変わらない。

日進月歩に苦しさは必ずセットである。

苦しさとは負荷

大事なことはその苦しさを受け止める勇気でありまた度量だと、私は個人的に思う。

もし心のどんな面を鍛えるのかと問われたなら、メンタル・トレーニングとはまやかしではなく「現実を直視する」ことだと答える。

つまり苦しさをちゃんと認識しつつ、そこに向き合って共存できるまでじっと見つめること、それが心の鍛練だと理解している。

自分を催眠に掛けて見て見ぬ振りをする方法は、果たしてメンタル・トレーニング(心の鍛練)なのか?

精神が「つらい」と思わないような配慮をコーチの指導や練習内容でつくることが、強い心を携える上で有効なのか?

それは大きな誤解だ。

苦しさとはつまり負荷なのだから、自分を鍛えようと思えば必ず生まれるものと言える。苦しさが悪いものなのではなくて、それに潰されるか乗り越えるかの問題なのだ。

苦しさ自体を消すことに焦点があるのは、根本的に目的が大きく間違っている

鍛え方は自分で見つける

考えるならば苦しさを消す方法ではなく、それに弱音を吐かないで立ち続けられる方法を探そう。

私がいつも言うのは「自分の意思で行動する」こと、その一点だけ。人にさせられたものは耐えられないが、自分で始めたものは耐えられる。もちろん途中で止めたっていい。結果は出ないが、自分の判断だ。

その腹積もりと、あまり好きな言葉ではないが自己責任の覚悟で物事に臨むことを日々実践することが、苦しさにも耐える力になる。

あなたも世間で聞くハウツーなどに頼らず、ご自身のメンタルの鍛え方を見つけよう。我流だから悪いなんてことはない。苦しさの負荷と向き合うこと、それだけ解っていれば大丈夫だ。

このタイトルを最後まで読まれた方は、きっとメンタル面に少なからず不安等があるのだろうと察する。

安いことは申さない、心からいまの自分を乗り越えるあなたを応援している。

タフさと弱さは隣り合わせ、どうぞ今のままを認めつつあなたなりに前へ進まれることをささやかに祈ります

(了)

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この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
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