【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 【緊急提言】ワクチンの来ない今、必要なのは規制よりも免疫力(下)
全国民でコロナに打ち勝つために自分の「免疫力」を高めよう、と大それたことを書いてきた。
(参考)【緊急提言】ワクチンの来ない今、必要なのは規制よりも免疫力(上)
(参考)【緊急提言】ワクチンの来ない今、必要なのは規制よりも免疫力(中)
しかし、これは現実としてありのままを申し上げているに過ぎない。決して私個人の持論でも、希望でもない。ごく客観的に見えている本質を語っているだけだ。
免疫能力は誰の体にもある。それが強い人、弱い人の違いはある。弱ければ病気に罹るリスクは上がり、強ければ強いほどそれを下げられる。
私たち自身が日常的に行えるなかで、もっとも効果的な対策がこれであり、リスクで言えば手洗いよりもマスクよりも、もっと言えば薬よりも効果は大きい。
そしてなにより、これは強化できる。
毎日体温を測ろう
まず免疫能力が高いことの指標にできるのが、あなたの平熱である。
普段の体温によって、細胞が活発に働いているか鈍いかが、おおかた判断できる。
もしかすると少し体温が高くなってしまうと、それは悪い兆候だと認識している人がいるのではないだろうか。断言して、それは誤った認識である。
体温は高いほうが良い。それだけエネルギーを発している証拠であり、体を動かす際に大きな力を出せるし、循環器の活動も活発で体力が続く。血のめぐりとは、体温に準じていると言っても良い。
とうぜん免疫細胞の活動も日常的に熱量の多い人が盛んであるから、自分の体温がいつもどの程度なのかで体の調子や免疫力を推し量ることができる。
日頃から、積極的に気にしてもらいたい数値である。
腸内環境が免疫を支える
腸の状態が良好かどうか、それは免疫力に大きく影響する。
口から取り込んだ食物や水分を消化吸収しているのは腸であるが、体内へ取り込むということは見方をかえると危険に晒されているということでもある。
生命活動にプラスとなるものが入るのならば良いが、体を壊すものが入ることは生命の危機であるので、腸には強力な免疫機能が備わっている。その細胞の数は全体の約6〜7割と言われている。
複雑な専門用語は控えるが、シンプルに考えれば腸内の免疫細胞を強くすることでウィルスや病原菌から身を守る力が養われると理解できると思う。
その細胞の働きを支えるものに腸内細菌があり、100兆個以上とも言われるこれらの細菌は、腸内の免疫細胞が正常に活動を行うサポートをしている。
たとえば酵素などを生成して食物が順調に分解→排泄されるのを助け、腸内を清潔に保っている。
これは近年、世間一般にも広く知られるようになってきたことなので、よくご存じのかたもいると思う。
つまり健康ため、病気から身を守るためには、まず腸内環境を良好にすることが肝心と言える。
免疫力を下げる現代人の食べ方
腸内に老廃物を残さずスムーズな流れをつくるためには、消化にてこずる食物を食べないという選択がある。
食べないというのが言い過ぎならば、積極的には口に入れないようにするとか、あとの影響を考えて「程々にとどめておく」ことを心掛けることだ。
食事の仕方は以前にもレポートを出していると思うが、現代の食事は質素な味付けのものが少なくなっていて、油と脂そして食品添加物が多く腸内環境にはマイナスが大きい。
これを常食としている人もいると思うので、世界から注目される日本食を育ててきた日本人でも免疫力の低い人は少なくないだろう。
味付けの濃いものは依存性がありそちらへ偏ってしまうので、それが一番危惧する材料である。バランス良くなどと簡単に言うが、それができないのが現代の食事情なのだ。
オーソドックスないわゆる「和食」「日本食」を、強い好みを出さずに質素に食べている家庭がどれくらいあるだろうか。私の勧める「米、味噌汁、焼き魚、ちょっとしたお惣菜、漬物」この定番を毎日摂っている人の腸内環境、そして免疫力は素晴らしいものに違いない。
少なからず、お菓子を食べるかのように毎食異なる料理であったり、油(脂)や添加物の多いものばかりであったりすることを改めることで、腸内環境はわずかでも良くなる。
さらに言ってしまえば現代人は食べ過ぎでもあるので、一食抜くこともたいへん効果的だ。マイナスなのだから、食べないならそれに越したことはない。
自分の身は自分で守る用意を
ここまでコロナに打ち勝つ自分の防衛策について、ささやかながらご提案してきた。
日本だけではないと思うが、現代ははじめから薬や医療にその助けを求める発想が日本国民にも広く浸透している。
もちろん自助努力を日々としているかたもいると存じ上げているが、全体の割合や傾向から言うと心掛けは薄くなっているように感じる。
菅内閣でのワクチン接種の遅れは重大であるが、それとはまた別として私たち自身の免疫力強化を本当はもっと考えねばならない。それを本レポートで問題提起させてもらった。
水際対策による生活圧迫にばかり日本国民の目が向いていて、実際の健康被害においては唯々怖がるのみである現状を、少しでも変えたい。
どうぞあなたにおかれましては、日頃から食に気を遣い免疫力を上げて、これからまだ続くコロナ渦を乗り切っていただけるよう、心からお祈り申し上げます。
(了)
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