【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 食べるトレーニングを考えよう!「実際にどんな食事をすれば良いのか」
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私は選手に身体づくり動きづくりを教えるとき、必ず一緒に食べることについて教えます。
顧問の先生とも食事の観点からトレーニングを話し合い、ときおり親御さんからもご家庭の食事について聞かれ、僭越ながら提案することがあります。
当たり前ですが、食べることは運動において重要であり、体力づくりの一部であり、生きることの真ん中です。
今日は実際にどのような食事を心掛けることが良いか、また現実的にできるのかを整理してみましょう。
熱の力で動いている
この世にあるエネルギーというものは、端的言うと「熱の力」のことです。私たちの身体もエネルギーが生まれるときには熱が発生します。
健康な身体は細胞が活発に動いていますから、それだけ多くの熱が発生していて、体温が高い人ほど血がよく巡っています。
つまり循環が良く新陳代謝の活発な人は、体内の臓器もよく働いている証拠なのです。
これを例えば反対に見てみます。
体温の低い人は熱が弱いということになりますね。じつは力を出すときには熱が出る、という安易な話じゃないんです。熱量が小さいということは、体内の細胞が弱っているということです。
動くと熱が出るというよりも、熱が出せるからこそ大きなエネルギーを放射できると捉えた方が、この手の話は呑み込みやすいんです。
熱が高いのは漲っている証拠
風邪をひくと熱が上がりますね。あれは体内に侵入した病原菌を退治するために免疫細胞が激しく活動しはじめたことによる副産物です。
熱が出るのはある意味良いことであって、これがもし熱が出せなかったらどうなるでしょうか?
あなたの身体を守る精鋭部隊が役に立たなくなっているということであり、そのまま病原菌に冒されてたとえ風邪でも死んでしまうんです。
身体が熱を持っているのは、私たちが健康で力漲っている(みなぎっている)証と言うことです。
体温は高い方が良い
そこから真っ直ぐに捉えると、体温はより高くあったほうが良い、ということになります。
日本人の平均体温が、時代と共にどんどん低くなっているのをご存じですか?
37.0℃とか37.5℃なんて言うともう「大変!熱がある!」と、現代人はそんな感覚ですね。
じつは私も子どもの頃、36.7℃で微熱だと思っていました。
今は調子が良いと平熱が37.0℃前後です。ダルさなど何も無く、すこぶる元気で絶好調です。
体温は身体の漲り度を表しています。
ということは、これを上げる食事をすることが、とくにスポーツをしているあなたには必要不可欠だと言えそうです。
受け継がれてきた自然な日本人の食
人間が食べる様々な作物(もちろん自然のものも)には、身体を温める作用の強いもの、冷やす作用の強いもの、その中間のもの、があります。
たとえば水分量の多い食べ物は、それだけ身体を冷やすことになりやすいですし、その反対は身体を温めることになります。
動物肉は高い熱を持っていますね。私たちと同じ生き物ですから、そのものに熱があります。鶏肉は人間よりも大幅に体温が高く42度ほどもあります。その分だけ私たちの身体を温めます(※温めすぎる問題がありますが)。
そういうことから食べる物を選んだときに、私たちに日本人の一般的な食事は大変理にかなっていて、というよりも先人が生きる中で自然と必要な食事を摂り、それが受け継がれて日本人にベストな食事になっていったのです。
基本は米と味噌汁に魚
現代は世界的に交流が活発になり、食というものがおやつのように趣向で食べるものとして安直に位置づけられているところがあります。
その時代に生きている私たちは、もはや食べると言うことを学問で勉強しないと知ることができません。
日本は稲の文化です。お米を食べてここまで長い歴史を歩んできました。米は体内に熱を貯める素晴らしい食材です。
日本食のイメージと言えば、米、味噌汁、魚ではないでしょうか。魚がないならば野菜の煮物などが、日本人の基本的な家庭食と言えますね。
じつは今ほど食べる物が充実していなかった遠い着物の時代でも、庶民の食べるものは玄米と雑穀、大根を味噌で漬けたもの、そのような食事だったそうです。
塩分を摂ろう
身体を温める材料として、作物以外にもうひとつ良いのが「塩」です。
味噌や醤油もしょっぱいですよね。昔から日本人は塩を適量に蓄えてきました。
生き物にとって「塩」は非常に重要なものであり、生命活動に欠かせない貴重なものです。現代はただの味付けの調味料としか認識されていませんが。
塩は体温を上げる作用があります。とくに水気の無くなった焼き塩ならば、その効用はさらに高まります。
そういう意味で、米の隣に味噌汁は合理的なのです。
昨今は食卓から味噌汁が無くなったご家庭もあるかもしれません。ぜひ復活させてください。塩分は細胞のエナジーそのものです。
エネルギーしか見ない西洋医学
いま食事は、エネルギー源として炭水化物、たんぱく質、脂肪ばかりをあてにしています。
しかしそのエネルギー源も、まず身体が熱を出す力を失っているのでは使いようがありません。
これらはガソリンであって、その前に身体自体にオイルをさす食事をする必要があります。
陰陽で調べると、身体を温める食物や冷やす食物が出てきます。食べると良い季節なんかも知れますので、ぜひ少しだけ知識を入れて、今日からの食事に手を加えてみてください。
色々試して「いい塩梅(あんばい)」を見つけましょうね。
(了)
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