【片岡編集長】ナショナルチームのゲームより14『ドラッグスクリーン5(スクリナーを助ける工夫2)』
アメリカ代表の事例2
前回は、オーストラリア代表のドラッグスクリーンに関連し、アメリカ代表チームのプレーを紹介しました。
ドラッグスクリーンは一つのコンセプトであり、何よりも大切なのは『有利な局面を作った際の各選手の判断能力やスキルの発揮』と記載しました。
今回も、アメリカ代表の映像を例に、局面の活用法の狙いをご紹介します。
1、プレーの構造
2、流れ
今回、攻防の切り替え時にボールを持った選手よりも前方にアウトサイドの選手が走り出していました。直ぐにレイアップに迎える状況ではありませんし、アウトナンバーでもありません。
しかし、広大なスペースに対し、オフェンスもディフェンスも人数が少なく、優位な状況です。
ここで、パスをした選手は遅れてハーフコートオフェンスに合流をするインサイドの選手のディフェンスに対してスクリーンをセットします。
そして、そのままインサイドの選手(図4)は、ボールスクリーンへと向かいます。
前回同様、ここで局地的、より有利な2対1の局面が出来上がりました。
ここで、相手チームはスイッチを選択します。インサイドの4番に対し、相手の1番のサウトサイドの選手がマークをします。
その事を察知し、直ぐにアメリカ代表はインサイドの攻防へ切り替えます。ドリブラーはスピードを緩め、パスコースを模索します。
残念ながらここでは、インサイドのポジション取りでオフェンスファールとなりました。
しかし、リングに近いエリアでのサイズのミスマッチが発生している状況は、バスケットボールで非常に有利です。
3、総括
トランジションオフェンスでのドラッグスクリーンは、アウトサイド選手の突破力や3Pシュート能力を活かすための戦術と言えるでしょう。
しかし、相手チームがスイッチを選択し、ゴール近郊のエリアでサイズのミスマッチがある場合は、得点をする為の有効なプレーはアウトサイド選手の突破力だけに限りません。
裏を返すと、突破力があるからこそ少しでも不利にさせず、インサイドの選手がアウトサイドの選手にマークをする局面を選ばざるを得なかったという事情もあると思います。
勿論、そのままスピードのミスマッチを狙う事も選択肢にありますし、今回のようにインサイドを狙う事も重要と言えるでしょう。
もし、インサイドのミスマッチに気が付かないのであれば、その選手の突破力の魅力も軽減してしまうと言えるのではないでしょうか。
コート上で繰り広げられている各選手の思考の流れやストーリーを伺える場面だと思った為、ご紹介したく、取り上げました。
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株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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