休まない日本スポーツを考える(後編)【梅原トレーナーのからだづくり哲学】

スキルアップ 梅原 淳

前回の続きです。いまは部活動など年間を通じてオフのない日本のスポーツ事情をあなたと一緒に考えています。

前編を読んでいない人はこちらから↓
休まない日本スポーツを考える(前編)【梅原トレーナーのからだづくり哲学】

日本にはオフ期という頭がほとんどなく、それは学校活動もしくは勉強の一端である部活動やクラブチームの位置づけが影響しているでしょう。

また若い世代、肉体的な成長期には体力が続き回復も早いですから、意外と継続できてしまいます。

その感覚のまま大学以降でも、なんとなく毎日、流れでずっと、休みはほんの少し、といった活動をしてしまいます。

それが悪いという話ではなくて、もっと計画的にそのスポーツ環境でベターな取り組みを考えてみませんか、という投げ掛けです。

実態に照らすと

さて、前号でこれでもかというくらい休みを取ろうと書いておいて、全部ひっくり返してしまうかもしれない日本の現実に触れたいと思います。

まずスポーツが生活の中心になっている人は、現実を申せば少ないことは周知です。少ないどころか、ごくわずかです。

ほとんどのスポーツ活動は満足に活動できておらず、それはスペースの問題と時間の問題が主にあります。

もしくは本格的な競技を目的にしていない人だって、それは個人の自由であるから現実にはかなり多いでしょう。

日本全体の比率で言えばそのようなケースのほうが大きいのであり、一般論としては期分けまで考える必要はない、となります。

これが子どもらのスポーツ現場の現実です。

練習しすぎの人は少ない

そもそも実質的な活動時間が少ないので、休むよりも「足らない」と不満を募らせているほどです。

医科学の面から考えれば、肉体的さらに心理的にもシーズンオフは設けたほうが良いことは間違いありません。

しかし学校活動を中心とした日本の子どもらの生活は、練習過多であるどころか時間に乏しいくらいですので、オフや期分けは少数派に当てはまる話となります。

ごく一部の、スポーツが生きる真ん中となっているプロ選手やそれに次ぐ立場の成人、本格的に高みを目指す学生アスリートやジュニア世代で試みる内容です。

正しく実態を見た上で

ありのままを示せばそうなのですが、その上で漫然とだらだら活動することを改めることに、長期休暇は一役買える可能性があると私は考え、提案しています。

長く続けず一定期間を決めて、そこに集中して自分を投資できれば伸び方はグッと上向きます。

いつになってもなにをしても代わり映えしない気の抜けた練習を、気持ちの入った有意義な努力へと変化させられる可能性があります。

この成長は大きいものがあります。競技成績のことよりも、人間的かつ社会的な成果を得られるからです。もちろんそれによって競技成績も成果を伴うでしょう。

導入の価値はある

繰り返しますが、期分けやオフは図らずともすでに存在しています。かえって活動できない日が多いくらいです。それは学校の部活動だけの話ではなく、いわゆる外クラブでも同じ事情があります。

実態を見ないで理論を押し付けても、それは何の助けにもならずどんな精確な研究データがあっても机上の空論と化します。

現実的で実用的な方法としては、まだまだ未発達なテーマと言えます。

それでもこれは行動を良いものへ改めるきっかけになりますので、改善を望むならばそれを目的に導入する価値は高いと考えます。

すっきり体力的側面だけでこれが良い悪いと、位置付けられる問題ではありません。

社会で「生きた情報」として役立てるためには、実際に起こっている事実に照らしてどうやって変えられるのか、それが肝心なことです。

(了)

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この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。

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