【片岡編集長】クォーター終盤の攻防を考える4(バスケ戦術)
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引き続き、クォーター終盤の攻防を中心に扱っています。
➡クォーター終盤の攻防を考える1
➡クォーター終盤の攻防を考える2
➡クォーター終盤の攻防を考える3
バスケットボールでは、クォーター終盤の攻防が4回発生します。
特に、1~3クォーターの攻防を制する事は、試合の勝ち負けにも大きく左右されます。
その場面での1点やファール1つの存在が後々の試合結果、ひいてはリーグ戦等での得失点に影響し、チームの命運を左右する事も大いにあり得ます。
2019年に開催された男子のワールドカップより、実際の試合の事例を紹介していきます。
今回は、ワールドカップの予選リーグ[日本代表vsチェコ代表チーム]の戦いより、第3クォーターのラスト1分30秒を考察します。
◇時系列で簡易的に記載します
残り1:26
日本ボール。ファジーカス選手とピック&ロール。
チェコ代表チームがスイッチ。
ボールをウイングに落とし、ローポストにボールを入れる。
チェコ代表がダブルチーム。
ショットクロック残り5秒で日本ターンオーバー。
残り1:10
チェコ代表チーム、トランジションでレイアップ。
日本チームがリバウンドに成功。
残り1:05
渡邊選手、リバウンドを獲得後にドリブルでリングに向かう。
強引には攻めず、ボールをキープ。
PGの選手にボールを預け、時間を使う方針に切り替え。(1)
篠山選手がボールをキープ。
残り48秒
ショットクロック残り2.5秒で篠山選手がドライブからシュート。
シュートに成功。+2点。
55対62と点差を詰める。
残り46秒
チェコ代表、ハーフコートオフェンス。日本代表チームはゾーン。
ショットクロック残り13秒でシュート。
日本チームがリバウンドに成功。
残り29.3秒
日本代表チームボール。ハーフコートの展開に。
篠山選手がトップの位置でボールをキープ。
ショットクロック残り6秒でウイングへパス。
ショットクロック残り3秒でファジーカス選手のポストにボールを供給。
シュートは外れ、チェコ代表チームがリバウンドボールを確保。(2)
残り7秒
チェコ代表がファーストブレイクし、試合時間ギリギリでシュートを決める。
55対64で第3クォーターが終了。
◇分析
試合として
76対89でチェコ代表に屈したゲームとなりました。
各クォーターのスコアは、18-18、22-27、15-19、21-25となります。
第3クォーターラスト1:30の攻防について、途中までは非常に好調の日本代表チームでした。
仮に、下線(2)の局面でファジーカス選手がシュートを決めており、チェコ代表チームのファーストブレイクの場面が無ければ、17対17のイーブン、試合としては57対62の5点差で第3クォーターを終えたことになります。
ファジーカス選手のシュートに対しリバウンドに挑みますが、しっかりとボックスアウトをされて相手チームに良いポジションを奪われていました。
この場面、リバウンドを獲得すれば、2点分の上乗せも期待できます。
しかし、この場面では逆速攻を喰らってしまいました。
#6比江島選手、#15竹内選手のようなシチュエーションについて、各チームスタイルに応じてリスク管理を徹底する事で失点を減らせるかもしれません。
下線(1)の部分では
渡邊選手がボールをキープした場面は、バスケットボールでは「賢い」と言われる領域になると思います。
チームのスタイルで決まっていれば問題ありませんが、このような場面で「ある人は思い切りよく攻める」・「ある人はボールをキープして時間を使い切る」とコート上の思惑が異なっていると、試合運びが上手くいきません。
ここで、直ぐに勝負を仕掛けず、時間を10秒近く消費したことが重要です。
結果として、ラストのオフェンスでチェコ代表チームにファーストブレイクを沈められました。
しかし、ここでトランジションのオフェンスを守っていれば、チェコ代表としてはオフェンスを決めることは難しかったと思います。
逆に、ここで渡邊選手が直ぐにシュートを打っていれば、最後のオフェンスでチェコ代表チームは24秒をフルに活用したオフェンスが可能となりました。
チームとしての考え方は様々ですが、ラスト1分30秒の攻防等のゲーム運びを考える訓練をし、フロアリーダーやポイントガードが指示を出せるチームは、余計な失点を抑えることが出来ることになるでしょう。
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