【片岡編集長】クォーター終盤の攻防を考える3(バスケ戦術)

オフェンス スキルアップ チーム戦術 ディフェンス 動画 指導法 指導者 片岡秀一 育成法

クォーター終盤の攻防を考える1  クォーター終盤の攻防を考える2

前々回の記事より、クォーター終盤の攻防を中心に扱っています。
バスケットボールでは、クォーター終盤の攻防が4回発生します。
特に、1~3クォーターの攻防を制する事は、試合の勝ち負けにも大きく左右されます

その場面での1点やファール1つの存在が後々の試合結果、ひいてはリーグ戦等での得失点に影響し、チームの命運を左右する事も大いにあり得ます。

ワールドカップ等の国際ゲームを見ていると、各チームの特色や、対戦相手との相性を踏まえ、各コーチの特徴が数多く見られます。

本稿にて、特徴的な戦い方を紹介していきたいと思います。

2019年に開催された男子のワールドカップより、実際の試合の事例を紹介していきます。

今回は前々回の記事と同じく、トルコ対ニュージーランドのゲームを扱います。

オフェンスのコンセプトとしては、トルコチームを扱います。試合としては、ニュージーランドが勝利を収めています。

◎New Zealand prove to be too much for Turkey – Full Game – FIBA Basketball World Cup 2019

◇ターゲットにする選手を突く

第3クォーター、ラスト33秒[74対72]の2点リードでのトルコボールです。

ここでトルコ代表は、ニュージーランド #42 Isaac Fotu 選手を狙います。

オールラウンダーの#6 Cedi Osman 選手とのマッチアップを活用したコンセプトでもありました。

  • #6Cedi Osman選手は、ピック&ロールを仕掛けるような素振りでボールマンへと向かっていきます。
    ニュージーランド#42 Isaac Fotu選手は、ハードショー等をする素振りも無く、下に下がりながら様子を伺います。
  • #6Cedi Osman選手は、スクリーンをセットするかに見せて、直ぐに反対側にポップアウトをします。
    #42 Isaac Fotu選手が下で構えている事を察知してか(試合前もとい前半戦での戦いで確信をしたのかは定かではありませんが)、相手チームのDFの弱い部分を的確に突くプレーと言えるでしょう。
  • スイッチの合図をしていますが、ボールマンのDF選手も後手になっています。
    結果、ノーマークで3Pシュートを決めることに成功しました。
    以前の記事で紹介をした徹底的な#42 Isaac Fotu 選手への攻撃も、これらの実績が布石になっていると思います。

◇まとめ

ピック&ロールは、得点をする為に有利な状況を創り出すための手段です。

育成世代等の試合を見ていると、手段が目的になってしまっているケースが見受けられます。トランジションの流れで、相手チームのマッチアップがミスマッチになっている状態での攻防に顕著です。

例えば、ボールマンに対しアウトサイドのDFを苦手とする相手センターがマークしており、同時にインサイドの選手にガードの選手がマークしているとします。

既に、得点の為に優位な状況であるにもかかわらず、ピックアンドロールを読み、相手チームに対して適切なマッチアップに戻るチャンスを与えてしまうケースもあります。

せっかくの得点チャンスを逸することになります。

上記のような経験をする事は、選手にとって学びになる可能性も大いにあります。

効率だけを求めればよいわけではない事を理解しつつ、ナショナルチーム同士の攻防の意図を知る事は競技人生を豊かにする上で役に立つ事もあると考え、本記事で紹介いたしました。