【片岡編集長】クォーター終盤の攻防を考える2(バスケ戦術)
前回の記事より、ピリオド終盤の攻防を中心に扱っています。
バスケットボールでは、クォーター終盤の攻防が4回発生します。
特に、1~3クォーターの攻防を制する事は、試合の勝ち負けにも大きく左右されます。
その場面での1点やファール1つの存在が、後々の試合結果、ひいてはリーグ戦等での得失点に影響し、チームの命運を左右する事も大いにあり得ます。
2019年に開催された男子のワールドカップより、実際の試合の事例を紹介していきます。
ワールドカップ等の国際ゲームを見ていると、各チームの特色や対戦相手との相性を踏まえ、各コーチの特徴が数多く見られます。
本稿にて、特徴的な戦い方を紹介していきたいと思います。
◇1対1で強みのある選手を活かす
今回の題材は、予選リーグより。ニュージーランド対ギリシャの対戦です。
試合結果は、103対97でギリシャ勝利しています。本稿では、ニュージーランド代表のコンセプトを紹介します。
- ニュージーランドは、#5のShea Ili 選手にボールを預けます。
周りの選手は、図のように配置します。
いかにも、5番の選手や3番の選手が、プレーに関わってきそうな雰囲気です。 - ボールマンにマークする選手も、右、左をキョロキョロし状況を見ています。
ピック&ロールになるのか、右なのか、左なのかと、少しでも多く情報を収集し、いち早く察知しようとする様子が見て取れます。 - 実際は、5番の選手が駆け抜け、反対サイドに抜けていきました。その瞬間、#5 Shea Ili選手は1対1を仕掛けます。
- 結果、綺麗なシュートに持ち込めず、またフリースローも獲得できませんでした。
成功か失敗かというと、失敗といえるかもしれませんし、シンプル過ぎると批判する旨もあるかもしれません。
ただし、このオフェンスには、ニュージーランド代表側の意図も隠れています。
図にて黄色で囲んだエリアにいるのが、ギリシャ代表の絶対的な中心選手でもある#34 Giannis Antetokounmpo 選手です。
ディフェンスでも抜群の存在力を持つ同選手を、勝負をするエリアの反対側に置くことで、ディフェンスに関与する機会を奪った意図があったと思います。 - 実際には、シュートが外れたのちに、同選手に前方を走られています。
5番の選手がすでに戻ってはいまが、4の選手はGiannis Antetokounmpo選手に後れを取っています。
Giannis Antetokounmpo選手をDFに関与させない事を意図したスペーシングです。
ですが、リングよりも近い位置にいる場合、オフェンスリバウンドの確保は至難の業です。
もし、このように配置をするのであれば、U19日本代表に挑んだベルギー代表のように、もっとハッキリと戻る事でリスクを最小化する事が可能と言えるでしょう。
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