トランジションでのミスマッチを守る~MHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクのディフェンスより8~

スキルアップ ディフェンス戦術 片岡 秀一

前回に引き続き、ドイツリーグ及びBASKETBALL CHAMPION LEAGUEにも参戦しているMHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクのディフェンスを題材にしたいと思います。

同チームは、日本バスケットにも縁のあるジョン・パトリック氏がヘッドコーチを務められており、非常に激しいディフェンスが特徴です。

また、同コーチは日々のプロセスに対しても確固たる信念をお持ちのコーチです。

講演等では「プロセスにプライドを持つこと」を強調。
「現在の自分たちの順位、週末の対戦相手が強いか弱いかどうかではなく、『自分たちが積み重ねている練習』にプライドを持てることが重要」と語り、サンアントニアスパーズのチームスローガンとして著名な「Hitting the Rock(Pound the Rock)」(岩を叩き続ける)ことを紹介されました。

さて今回は、トランジションディフェンスの流れで相手チームにローポストのミスマッチを突かれた時の攻防を取り上げます。

このようなケースは、日本の各カテゴリーのゲームでも発生しうることです。

もし、自チームのピック&ロールに対し、相手チームディフェンスにスイッチで対応されてディフェンスリバウンドを獲得された後のトランジションディフェンスでは、このようにミスマッチになるケースは頻出します。

本稿の解説記事が、少しでも参考になれば幸いです。(黒:MHPリーゼン・ルートヴィヒスブルク)




1.プレーの構図

 

2.プレーの流れ

トランジションディフェンスの中で、黄色部分のマッチアップでオフェンスがサイズで優位になりました。

ボールマンもそこにボールを集め、攻め立てようとしています。マッチアップをするも自覚しています。

また、オフェンス側の意図を察知し、X5もポジションを大幅に変えました。

4にボールが供給され、ディフェンス側は本格的にダブルチームの陣形へと切り替わります。

X5の動きに対し、X3はコーナーの選手とトップ方向の選手を守ろうとします。

相手オフェンスは、ポストへのパス供給と同時に逆サイドのショートコーナーに飛び込んできました。それに対してはX4が対応しています。

ダブルチームとゴール下への飛び込みの余波により、トップの位置がオープンになります。

4は、状況を見渡し瞬時にトップにボールを戻します。トップに対してX4が対応します。

ダブルチームに行ったX5は、ショートコーナーを守ります。

その後、再び4がポストアップでボールを受けます。それに対しX5がダブルチームをします。

ゴール下の5に合わせパスが通り、X3が反応をしますがシュートを決められてしまいました。

3.まとめ

ここで注目は、4からトップへボールを戻そうとするパスの際に、ディフレクションになっている事です。

あわよくば、この場面でスティールに繋がる可能性があり、紙一重の場面でした。

また、最終的に失点をしましたが、最初のポストアップからカウントすると、3回分の余計なパスが発生し、時間としては10秒間を相手に使わせています。

本場面では、もっと良い守り方もあったかもしれません。しかし何もしなければ、4にゴール下で押し切られる場面でしたが、相手チームに別の判断を強いることには成功しました。

また、咄嗟の場面での連携も素晴らしかったと思います。ゴール下でのノーマークの失点を防ぎつつ、次から次へとチーム全体の危機を潰していきました。

何よりも、当たり前のようにトランジションでの発生しているミスマッチに対し、X5をはじめとする残りの選手が状況を把握し、対応をしている事が非常に重要です。

瞬時に代わり続ける局面局面で、マッチアップの有利不利を見極め、事前のチーム戦術通りに対応している様子が分かる場面となっています。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)

 

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