バスケットボールに走る練習は必要なのか①~走力と筋力~

スキルアップ 練習法 育成法 関野 日久

狭いコートを40分間走るバスケという競技であるバスケットには、体力が必要なのはもちろんです。

コートが狭く人数も少ないので、プレー中に手を抜いたり休んだりの体力配分が難しいことから、普段の練習から体力づくりは必須です。

そのため、ボールを持つ練習ではもちろん、ボールを持たずに走る練習が様々なカテゴリーで多く行われてきました

一方で、ひたすらに走る練習は根性論だと言われ、今の世の中で嫌われているのも事実です。

この記事では、1試合で5km以上走るとも言われるバスケにおいて、走る練習が必要なのかを解説していきます。

バスケにおける走力

バスケは、短いコートをオフェンスとディフェンスが入れ替わるトランジションの度にダッシュで駆け回ります。

また、1回のそれが終わるまでは狭い範囲で足を動かすという運動が多いです。

1回のオフェンス、ディフェンスがそれぞれ18秒程度で終わるとすれば、18秒に一度20m〜25m走ることになります。速攻の場合は約6秒に一度走ることにもなります。

「短い距離を走る→休む→走る」という動作を何度も繰り返すことから、バスケはインターバル走に近い運動です。

各トランジションに遅れないためには、8割〜10割程度の力で走ることが求められます(スタートのタイミングを早めるなどの工夫もあります)。

つまり、短い距離を全速力に近い速度で走り続ける力が求められます

心肺機能と中距離走

バスケのコートは横が15m、縦が28mで一度に走る距離はそこまで長くないものの、1試合を合計すると5km以上走るとも言われているため、中距離走的な一面があるように見えます。

それらを考えて、学校の周りを走ったりコートを何往復もしたりといった練習をすることは少なくありません。

しかし、そういった練習は6割〜8割程度のペースでランニングに近く、バスケの走りではありません。

また、自身もマッチアップ相手もボールに関していないときにはある程度休憩することはできますが、基本的には笛が鳴らない限り足を動かし続けます。

そういった点でランニングとバスケでは、同じ5kmと言っても走るペースやかかる時間、リズムの取り方などは大きく異なります。

似ている点としては、常に高い心拍数をキープするという点があります。

これが厄介で、心拍数が高い状態で長くいることは「しんどさ」に繋がります。

この「高い心拍数で一定の時間運動する」という点がバスケのための練習になると捉え、共通点がない運動で練習するケースもあります。

結果、バスケとは違う体力の使い方をしてしまっている場合もありますね。

筋力と走力

走る力という観点では、下半身の筋力アップのためのスクワットやマシントレーニングは少しミスマッチです。

  • 大きく一歩を出す
  • ぶつかりながら足を前に出す

などの動作には体幹と下半身の筋力が必要になりますが、走るという動作には脚力だけでなく全身の筋力が必要になります。

  • 腕を振る力
  • 地面を蹴る力
  • それらを支える背筋や腹筋
  • 体幹の力

など様々な力が必要になりますが、ダッシュやその走りだしの数歩はそういった筋力をフルに使う必要があります。

しかし、8割以上のランが多くなるトランジションでは、筋力とを使うというよりも重心移動で滑るように足を前に出し続けることが大切です。

これらは筋力のトレーニングというよりも、最低限のエネルギーを高い出力で走ることが必要です。

練習をせずともそういった体の使い方ができる選手もいれば、苦手な選手もいるので身体の使い方から学ぶ必要があるでしょう。

まとめ

今回は、バスケに走る練習が必要なのかを考えてみました。

バスケに必要な

  • 走力
  • 心拍数
  • 走る距離
  • 筋力

から、走りについて深掘りしました。

走る練習は必要ではあるが練習方法は吟味する必要があるという結論に至りました。

次回はやってはいけない練習方法とやるべき練習について解説します。

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この記事を書いた人関野 日久関野 日久(セキノ ハルク)
関西1部リーグの大学を卒業後、現在は実業団でプレーしながらプレイヤーとしてのレベルアップを目指しています。このブログでは、高校・大学・社会人、それぞれのカテゴリーでのトップレベルの選手とのプレーの中で自身が経験した、バスケ選手としての高みに行く方法を発信していきます。
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