「女子の腕立て伏せを鍛えよう(後編)」【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニングレポート No.115

スキルアップ トレーニング フィジカル(身体) 梅原 淳

前回のつづきです。「女子の腕立て伏せを鍛えよう(前編)」

女子選手の腕立て伏せにきまって見られるお腹がフニャと潰れたまま、まったく体を持ち上げられない悩みを解決する方法をお伝えしています。

体幹とくに腰から下、下半身を固定させることを前回に示しましたので、次にとっておきのポイントを教えたいと思います。

前回あげた動画をもう一度見てみましょう。

じつはあの動画は連続しておこなった腕立て伏せの後半部分だけで、本当はきちんとできている前半があります。

これは体幹(一本柱)というポイントをアドバイスしたあとのチャレンジなので、最初のほうでは上手にできていました。

どうですか、前回のものと大きく様子が異なっていますね。

前回の動画は力が抜け柱も崩れて腕に全体重が乗っていましたけども、この動画はそれが安定しています。

つまり柱が崩れてしまえば一気に腕への負担が増えてしまうということで、そこを示すためにあえて先に後半部分を公開しました。

力も技術がいる

こういったことはなにを物語っているのか。

言葉では「筋力アップ」とか「肉体づくり」と言っても、ただ筋肉を鍛えてパワーアップなのではなくて上手に運動を行える技術力が必要だということです。

力の出し方にもワザがあるということですね。

腕力の強い人もやみくもに力んでいるのではなく、じつは力の出せる上手な體の使い方を知っているのです。

それを学ぶのが「腕立て伏せ」です。

男子以上に、女子にとって意義が大きいかもしれません。

全身のつながり

この大学生アスリートが後半で崩れてしまったのは、体幹を頑張りつつもまだやはり腕に意識が強く向いてしまうからです。

馴染んだ感覚で腕に力を入れたくなってしまうのですね。

意識が腕に集中すると脚や腰は力が抜けます。それだけではなく、四肢の力の繋がりが分断してしまうのです。

腕立て伏せは本当に良い基礎トレーニングで、全身を使うもっともシンプルな訓練のひとつと言えます。

運動はつねに全身で行うものですが、これがあるとき脚と腕のチェーン(つながり)が遮断されてしまいます。結束してひとつの大きな筋力発揮の流れにならないのです。

腕立て伏せで言うと、そのポイントが「脇の後ろ」にあります。

広背筋を使えること

腕を曲げ伸ばしするのですから、誰でもまず腕自体に力を込めますが、それは具体的に示すと肘関節の周辺ということになります。

腕とくれば無意識に肘の曲げ伸ばしが自然と起こり、その周辺の筋群で頑張ろうとするのが当然です。

この動作では肘に作用しても、体幹部や下半身には作用しません。肘をどれだけ頑張っても、その力で全身を持ち上げることは使い方(運動)として器用ではないのです。

体幹(一本柱)を下げたり上げたりするのであれば、ダイレクトにそこへ力を入れれば良いので、腕を曲げ伸ばしする際に「肘」ではなく体幹との接合部である「肩甲骨」のあたりをうまく使います。

大学生アスリートに伝えたのは、脇の後ろ、肩甲骨の下のあたりにグッと筋肉の張りをつくって体を支えながら行うことです。

ここはいわゆる「広背筋」といって背中の筋肉で、人間の身体の中でもとりわけ大きな筋肉となり、背中を作用させることはそのまま運動発達に繋がります。

キネティック・チェーンのベース

腕立て伏せをする際、とくに女子選手では背中が丸まり、さらに顔がうつむいてしまいます。肘から先の前腕部分に力が入っているからです。

そのような中心から遠い部分に力を入れていては、腕立て伏せは絶対にできません。もちろんその他の運動でも同じです。

足腰でしっかり下半身を支えて体幹(一本柱)をつくり、その頑張りが腕ともうまくリンクするように背中、とくに両脇の後ろのあたり(広背筋)に力を入れられるよう訓練をしましょう。

体重を腕で支えているから腕立て伏せができないのであり、中心の「芯」をつくることで課題は簡単にクリアできます。

腕立て伏せをすることで芯が弱いことを知り、知るからこそ芯を強く太くすることができます。これがすべての運動においてベースとなる、シンプルで上手な體の使い方です。

ガンバレ女子!

腕立て伏せは男性選手でも力任せで、たった10回をまともにできない人がいますし、さらに女性ではうまくできる人のほうが圧倒的に少数です。

ことさら十代となれば皆無に近いものがありますから、体づくりの大きな目標のひとつとして「腕立て伏せをマスターする」ことを頑張ってみるのも有意義だろうと思います。

私はいつも女子選手が活躍するのを応援しています。別に贔屓しているってことではなく、現実に運動的な可能性を追求することの歴史は女性のほうがまだ浅いので、その分まだまだ青天井に伸びるということです。

私たち自身にも見えない未知の力が、奥深く眠っているかもしれませんよ。そのチャンスをどうぞご自身でつくってください。

自分自身に挑むのみです。

それでは二回にわたり「女子の腕立て」をテーマに少し書いてみました。

挑戦してその経過やつまずいている部分などもあれば、下記の宛先までどんどんメールください!心を込めてお答えします☆

それでは今回はここまで!

(了)

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