【梅原トレーナーのからだづくり哲学】練習の上達は脳でつくられる(上)

スキルアップ トレーニング マインド(脳) 梅原 淳

今日はあなたがいま一歩、上達しない理由を考えてみよう。

失礼にも決めつけて、あなたが成長していないなどと言ってしまったが、これはどんな伸び盛りの人でも心得るべき価値のある話なので、あえてその設定でいこうと思う。

どうぞあらかじめご容赦いただきたい。

はじめにレポートの本質に触れるが、あなたのプレイが伸びない原因は精神面における「程々」が心の奥深くまで染み込んでいるからである。

それはもはや馴染みすぎていて、自分では程々で済ませているなどという実感がない。

あなたは懸命に頑張っているつもりなのだが、実際はアドバイスやレッスンをなんとなく聞き流し、実技を精確に行おうとせず、質の低いプレイを淡々と繰り返している。

いつしか力の入れ方が半分くらいであるのを全力だと思い込み、自分の実力のMAXだと決め込んで、そこから一生這い上がれなくなってしまう。

みずから「これで良い」「充分」と思っているレベルはじつは自分だけが思っているだけで、他の人からすればずっと低いものだったりする。これは習慣化されるものであるので、毎日のそういった連続が馴染んで固定したギャップを形成してしまう。

これは脳が活性化していないのであり、本来発揮できる能力を自ら抑えていることになる。脳が活発なときは、物事を理解したり吸収する力も高まっており、練習でもその場でグングンと良くなっていく。

この脳の状態は集中力という言葉で表現されることもあるし、意気込みや気合いとして語られる場合もあるが、医科学的にはアドレナリンやセロトニンの分泌によって脳が冴えていて、神経が敏感になっている状態を言う。

脳内物質が能力をコントールしている

あなたは経験として、意識が鋭くなっていることを感じたことがないだろうか。主にはハッ!としたときだ。

たとえば具体的に言うと、視界に突然人が現れてぶつかりそうになったとき、授業で居眠りしていて先生にコラッ!と怒られたとき、高いところから足を滑らせて落ちそうになったとき、大切な物が無くなっていて「あれ?たしかにこここに置いたのに!?」と焦ったときなど、急激に頭いや全身にビビビ!と電気が走ったことがあると思う。

身に危険が迫るなどして差し迫ることで、脳が興奮して交感神経が活発になり意識が鋭くなるのだ。

平たく言うとそのような情況で「なんとかしなきゃ」とスイッチが入ることであり、抑えられていた能力が突如として放たれて出来なかったことが出来てしまったりする。

それは突如、一時的に身体の機能がスペシャルになったのではなくて、それこそが本来のあなたの持つ力であり、ただ普段はセーブされているということだ。

これを支配しているのが脳であって、一般的な言い方に変えると「真剣になる」「やる気が湧く」「スイッチが入る」「意欲が出る」「集中する」などと表現される場合が多い。

平均点で良いとする妥協

あなたは普段の練習において、どれくらい意識が強く鋭くなっているか。ものを吸収するためには、感度がグッと上がっている必要がある。

より上手くより高度にその技量を伸ばしたいと欲するならば、狙うは何点か。

当然それは「100点満点」だ。

それ以外を考えている人は、程々のパフォーマンスしか出せない。脳がそう決めているからである。

もっと速く、もっと高く、もっと強く、そう欲することでどうやったらレベルが向上するかを具体的に考えるようになる。その考える材料として、周囲に情報を求めるようにもなる。

これが「スポンジのように吸収している」ときの状態だ。習得が早いのは才能があるのではなくて、脳が活発に働いて意欲が上がっているからなのだ。

70点くらいで充分とか、平均点なら大丈夫なんて感覚の人が情報をキャッチするはずがなく、いつまでも「大体」「なんとなく」「とりあえずこんな感じ」で大雑把に練習をし、緩慢なプレイをし続ける。

それが上達しない真の原因だ。

残念なことに、自分の技量が伸びない理由をそこに見出している人はいない。

力を呼び起こすには

私はチームづくり、選手づくりの根源はメンタルだと考えている。いちばん重要な心臓部にこそメンタルがある。

程々や平均点が大部分になっている人は、なにをおこなってもその程度のレベルになる。すべてを半端に見せかけで済ませることがクセになっていて、練習をいくらしても教わっても、目を見張るようなパフォーマンスはできない。

それはまさか能力の限界とか運動神経の話ではなく、親の遺伝などでもなくて、ただ選手自身が脳を眠らせているからそれにコントロールされている身体は、伝令通り動いているに過ぎない。

そう、あなたの脳つまりあなた自身が「テキトーにやっておけ」と身体に指示しているわけだ。

それなら脳を眠りから起こしたいが、どうすれば良いか?

次号でそれを考えてみたい。

(つづく)

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この記事を書いた人:梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。