【梅原トレーナーのからだづくり哲学】運動能力は脳がつくる(2)

スキルアップ トレーニング 指導法 梅原 淳 育成法

前号で、脳を鍛えて運動能力をつくるというこれまで語ってこなかったフレッシュな題材でスタートしました。

きっと多くの読者が興味を持ってくれるだろうと信じて、今回もさらに話を進めていこうと思います。

あなたは「慣れ」を経験したことがありますか?

愚問ですよね。生活は慣れの連続です。不肖このレポートでも、いつも「適応・順応」の話をしています。

では目標とか見本はどうでしょうか。これも当然あるはずです。どうして目標を定める(もしくは「定まる」)のかと言うと、ゴールを設定するためですよね。行き先を決める必要があるからです。

いまからどこへ行くのかが決まらなければ、行動はなにも起こりません。それは具体的にスポーツで考えても、競技力の向上を目指すのは記録を出すとか試合で勝つためであって、さらにそれを果たすためにどんな技量を身につける必要があるかを、あなたはもちろん知っています。

だから実際に目安になるもの、参考になるものを設定して、それに向かって自分の力を伸ばそうとします。つまりプロ選手のプレイを見てそれをお手本にするというのは、その典型的な行為なのです。

脳には目的が必要

何事も目標物(手本)があります。それがたとえイメージでも頭の中にないと、ものごとは進みません。ある専門家が「脳は目的に向かって動く」という表現をしました。一言一句完全に精確ではないかもしれませんが、こんな感じの言葉でした。

どんな意味かというと、上達のためには必ず良い手本を頭の中にインプットしなさい、ということです。上手くなりたければ上手い人のプレイを映像で覚えて、それを目標として自分を近づけていくプロセスが意味のある練習となり鍛練になる、と言っているのです。

成長とは、なにもないところから驚くような技量を獲得するのではなくて、はじめにここにゴールするという行き先が頭の中に出来上がることで起こります。体で表現できるようになる前に、先に脳が勉強し習得しているのです。

目標があることも、手本を見ることも、慣れていくことも、みんなゴールの設定の一部と言えます。

環境がものを言う

人は良い環境に入ると、より自分の力が育ちます。良い環境とは、成績や技術レベルが高いところという意味です。スポーツに限らずとも、力を伸ばしたければ実力度の高い環境にいくべきです。

どんな運動下手でも、周囲に能力の高い人がいるとそれなりになっていきます。ついていけるかは別の問題として、自分を成長させるためには良い環境に身を置くことがプラスです。

いる環境が10か5かによって、その人の伸びは左右されます。日々上手なプレイを見てしかも一緒に練習している人と、半分のレベルのプレイを見続けている人では、脳が定めたゴールが大きく異なります。

ゴールが異なるということは、そこへ向かう道程だって変わります。可能性は誰にでも平等にありますが、その伸び方は脳へ刻まれた目標物で決定されることになります。

つまり知らずと、その決めたゴールに到着するような歩の進め方になっていくわけです。頑張っているのに上達しないと悩んでいる人は、ここに隠されたメカニズムがあるかもしれません。

どれだけ力を尽くしても、私たちは脳の決めたゴールへ向かっていくということです。

脳がそう決めた

さて前号で、私の大学時代の不思議な体験を話しました。

どうして練習もろくすっぽしていない者が、とつぜん長距離を走って先頭でゴールできたのか?

しかも長距離が苦手で嫌いで、現役の頃から走る練習は不得意だったのにも関わらず、グングンと爽快に走れてしまった摩訶不思議な現象を先に記しました。

この話の流れでもうお分かりだと思います。まさしく脳がそう決めたのですね。それはどういうことかを、次回に解説致します。

今回はこのあたりで。

(了)

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この記事を書いた人:梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。