FIBA-OQT決勝「チェコ対ギリシャ4」Hedgeに対する華麗なパス展開

オフェンス スキルアップ 戦術 片岡 秀一

今回は、チェコ代表チームのハーフコートオフェンスを題材としたいと思います。

2019年ワールドカップでの高確率の3Pシュートには、見事なトランジションオフェンスの存在があることは、これまでの記事にも記載した通りです。

同時に、ハーフコートのオフェンスでも何点か特筆事項があるように感じています。本稿では、その一つを紹介できればと思います。

1、プレーの構図

ヘッジからのパス1 ヘッジからのパス2

2、プレーの流れ

ベースラインのインバウンズプレーからHORNSの形になりました。

ギリシャ代表は、ドリブルを仕掛ける#8トマシュ・サトランスキーに対し、スクリナーのディフェンスがHard Show(ヘッジ)を仕掛けます。

これにより、リング方向へ進むことが困難になりました。もちろん、あわや、ミスを誘発する意図もあるでしょう。

ここで、チェコ代表は見事なプレーを見せます。

リング方向へは進めないまでも、ヘッジを交わすドリブルの進行方向にパスコースを作ります。

#8トマシュ・サトランスキーも、すぐにドリブルから鋭く正確なパスを出しました。

そこを経由し、ロールする選手にパスを出し、②を達成しようとする考え方です。

ロールへのパスを防ぐ為、ギリシャ代表のディフェンスはローテーションを余儀なくされました。

ディフェンス側のポジションの移動が生じます。チェコ代表はその隙を見逃しません。

まず、トップの位置がノーマークになり、次にはトップからゴール下に見事なパスが通りノーマークのシュートとなりました。

3、まとめ

ピック&ロールの目的は、まず下記の2つにあると思います。

  1. スクリーンを活用し、リング方向へ向かう
  2. リング方向へロールをするスクリナーにパスを出す。

もちろん1.、2.の対応の余波で、3人目以降のオフェンス選手にもチャンスが発生します。

今回、ギリシャ代表はHard Showをすることで、1.・2.のいずれも選択肢から無くしました。

ただしチェコ代表は、パスコースを確保する周りのスペーシング、素早く次のチャンスにボールを展開する判断等が見事でした。

ここで重要なのは、最初のパスのタイミングであるといえるでしょう。

もし、#8トマシュ・サトランスキー選手がHard Showの圧力にボディバランスやハンドリングを崩していては、#17ヤロミール・ボハチークへパスを出せません。

また、リングへのパスを考えすぎても時間を要してしまい、ディフェンス側がローテーションをする猶予を与えてしまいます。

ロールする選手へパスを供給するための方策として、素早くボールを移動させて別のアングルからパスのチャンスを窺う好例といえるプレーだったと思います。

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この記事を書いた人:片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)