【片岡編集長】ナショナルチームのゲームより11『ドラッグスクリーン2(スクリナーを助ける工夫)』

オフェンス スキルアップ 動画 戦術 片岡 秀一

本稿でも、男子ワールドカップでベスト4に輝いたオーストラリア代表チームのアーリーオフェンスを紹介していきたいと思います。

同チームでは、突破力と得点力に長けたミルズ選手広い視野と判断力を武器とするイングルス選手が存在します。

ハンドラーとしての両選手の魅力を最大限に生かす戦術としてDrag Screenと称される、アーリーオフェンスの流れの中でのOn ball Screenが多用されます。

今回は、Drag Screenをさらに効果的にスタートするために、工夫されている方法の紹介となります。

ピック&ロールを有利な状況でスタートし、局地的な2対1を創り出すためにハーフコートオフェンスでも使用されているコンセプトです。

1、構造

2、流れ

ック&ロールスクリーンに向かう選手のディフェンスに対し、別の選手がスクリーンをセットするコンセプトを「Ram Screen」等と呼びます。

ここでは、アーリーオフェンスの流れで、スクリナーのディフェンスに対して使用している様子が見て取れます。

映像では、スペイン代表チームがICEを選択している為、スクリナーのディフェンスはRam screenを交わし、ボールマンとリングとを結ぶラインに移動しています。

パッと見ると、特に影響が出ているように見えませんが、非常に奥深い攻防が行われています。

もし、元々Spain代表がアーリーオフェンスでのピック&ロールに対してSwitchやHedge等を選択する守備戦術を用意していた際、このRam Screenは邪魔になります。

て、このプレーでオーストラリア代表は、ピック&ロールに対してICEで守っている事を見極めます。

ドリブラーがリングへとアタックスと同時に、スクリナーの選手は3Pラインの外で待機します。X5と5の距離が遠くなります。

ボールマンがインサイドのDFを引きつけ、見事なパスで5へとボールを展開します。落ち着いて3Pシュートを放つ事に成功しました。

3、総括

プレーへの影響だけを見ると、Ram Screenは大きな影響がないかもしれません。

しかし、アーリーオフェンスでもRam Screenを使用できるのは、非常に有益なコンセプトといえるのではないでしょうか。

そして、前々回前回の記事と同様ですが、大切になってくるのは各選手の判断力遂行能力です。

連続する展開の中、自分のディフェンスの状況やスクリナーのディフェンスの様子を見極め、適切な判断を繰り返したことが今回のシュートに繋がりました。

1つ1つのコンセプトを取りだせば、そこまで珍しい攻防ではありません。

しかし、複数個の要素が重なった際にも今回のように素晴らしい判断を積み重ねられるところに、オーストラリア代表の強さの一因子があると感じています。

この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)

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