【片岡編集長】トランジションDFの向上を目指す15~U19ベルギー女子代表チームの考察4~
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今回も、U19ベルギー女子代表チームのトランジションディフェンスを分析していきたいと思います。
同チームと対戦した際、日本女子代表チームはファーストブレイクのポイントが0点に終わったそうです。
同チームとの試合映像からは、日本チームの長所を出させない為のルールの設定と、着実な遂行が見て取れます。
前回は、ディフェンスリバウンドの価値について改めて考えてみました。今回は、ベルギー代表チームのオフェンリバウンドの様子から考察していきましょう。
上記の映像では、ベルギー代表チームが頻繁に使うハーフコートのオフェンスが行われました。
A代表チームも使用するコンセプトで「インサイドへのスクリーンから、スクリナーにスクリーンをする」という動きが見て取れます。
A代表と同様、優秀なインサイド選手がU19代表チームにもいる為、その選手の特性を活かす動きです。
日本代表チームは、インサイド選手へのゴール下へのダイレクトのパスを防ぐべく、#11の選手がバンプの用意をします。
A代表の守り方と同じコンセプトです。本プレーでは、接触は起こりませんでしたが、パスコースを潰すことに成功しました。
その後のスクリーンに対しても、自分が通過するコースを見極め、見事にすり抜けています。
結果、トップの位置でベルギー代表チームがボールをレシーブした際にも、チャンスを与えることなく処理が出来ました。
その後、ベルギー代表チームは、広いスペースを取り、1対1での攻略を試みます。
ここで、ベルギー代業のインサイドの1人である#9に注目しましょう。コーナーのエリアへと拡がり、ゴール下のスペースを広くしています。
この場面、1対1でゴール下まで攻めるには至らず、ミドルシュートでオフェンスを終えます。
いわば、日本代表チームが質の高いDFをし、ベルギー代表チームの意図したオフェンスをやらせなかったというシチュエーションです。
このシュートに対し、コーナーに位置する#9が一目散にスプリントバックをしている事に注目しましょう。
勿論、ここでリバウンドに飛び込めば、リバウンドを取れた可能性がゼロではありません。
しかし、マッチアップはスイッチしておらず、元々のマークマンのままです。また、DFを崩せた上でのシュートでもないので、DF側にズレもありません。
おそらく、試合前のルールとして、このような場面ではスプリントバックをして次のディフェンスを優先する事が決まっていたのではないかと推察します。
このように、「相手チームの特性に合わせ、オフェンスリバウンドにおけるルールを調整する」という事は、トランジションDFの向上させる為に重要な取り組みになるのではないでしょうか。
また、本場面のように、ボールについては視野の中に収めつつ、わき目も降らずに全力ですプリントバックする事は、簡単なようで非常に難しい事でもあると思います。
チーム側でのルールを明瞭にしていた事と、当該選手の戦術理解力や遂行力の高さが表出されたシーンであるといえるでしょう。
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