【片岡編集長】トランジションDFの向上を目指す2

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前回の記事では、トランジションDFの重要性や強化する事の意義や価値について記載をしました。

特に、身体能力やサイズで優位に立つチームへの勝利を目指す際、トランジションDFにおける状況判断能力や、発想力を鍛える必要があると考えます

私自身は、身体能力で優位に立たれているとはいえ、それを発揮する場面を最大限に低くすることは可能であると信じています。

トランジションDFの強化をする際、DFにおける目標地点の設定が重要であると考えています。

得点を競い合うバスケットボール競技の中、相手チームを完封する事は、かなりの実力差のあるチームでも難しいものです。

特に、局地的にアウトナンバーにもなるケースの多いトランジションの局面では尚更です。

ここで、オフェンスからボールを奪う事や、確実に失点させない事をゴールと設定すると、選手に「諦め」や「無謀な挑戦」が出てしまうと感じています。

そこで、トランジションDFでの目標として「ゴール下のノーマークを打たせない」「オープン3Pを打たせない」「トランジションでのアウトサイドシュートの飛び込みリバウンドを取らせない」を設定するようにしています。

前半2つは、共に得点期待値が非常に高くなるシュートシチュエーションです。

最後の一点は、同じく、前半2つに直ぐに繋がる可能性のあるという点で、高い相関性があります。

言葉にすると簡単な事ですが、カテゴリーが下になると、トランジションで規律を持って守る事が非常に難しくなり、簡単にゴール下のショットを許している場面が見受けられます。

下記の2動画では、DF側にとっては、極めて劣勢な場面です。

ですが、ゴール下でのショットチャンスを発見するや、猛然とダッシュをしてチャンスを潰そうとしています。

このように、コートの状況を理解し、数秒後のピンチに向けてハッスルできる選手が多いチームほど、失点が減り、ひいては相手チームよりも総得点で上回る可能性が高まります。

また、このようなハッスルに対し、チームとしても評価をする仕組みを構築する事で、さらに選手にも浸透する事でしょう。

チームにとっては、映像等で振り返る際のGood Playとして示す事もあるでしょうし、選手を起用する際の項目に織り込む事もあると思います。

いずれにしても、通常のBOXスコアでは表示されないが、バスケットボールの勝敗に大きな影響を与えるプレーに対するアプローチもコーチの個性が出てくることでしょう。

カナダ代表チームの場合、残念ながら、あと一歩間に合わずにフリースローを献上する事になりましたが、画面上側の選手がハッスルして戻らなければ、そのまま確実にゴール下の2点だったと思います。

ボックススコアだけを見れば、この選手にはネガティブな指標であるファールが一つ追加されます。

しかし、仮に、フリースローを打つ選手が1本でも外せば、この局面での失点が-1となります。1点を争うバスケットボールの中、非常に大きな働きです。

もし、この場面で、トランジションDFの目標が「相手を止める事」であれば、劣勢になった瞬間に「無理だ」を判断し、怠慢な戻り方をしてしまう可能性もあるのではないでしょうか。

そうすると、確実に2点を献上していたことになります。

選手側の迷いを削減する意味でも、トランジションDFにおいて明確な目標を設定する事が重要であると考えています。