【片岡編集長】トランジションDFの向上を目指す1
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今回より、取り扱うテーマを「トランジションDF」に絞っていきたいと思います。
引き続き、題材については女子代表チームの試合を中心に、その背景に潜む背景や、各選手の判断を探求していきます。
本記事を読んでいただいている方にとって、自チームにおけるトランジションDFの質的な向上に繋がれば幸いです。
まず、トランジションDF向上の価値について改めて考えてみたいと思います。
一つは、当たり前ですが、対外試合における失点率を削減する事です。多くのチームが、激しいDFからのファーストブレイクをチームが「やりたいバスケット」として掲げます。
そうであるならば、相手チームのDFリバウンドからのファーストブレイクや、スティールからの速攻の失点率を減らすことが出来れば、『相手チームのやりたいバスケ』をやらせない事に繋がります。
勿論、自チームのターンオーバーからのトランジションDFを守る事は、オフェンスプレイヤーが技術や判断力の欠如によってミスをしてくれる育成世代に比べ、ある程度のレベルになれば至難の業です。
その為、本記事では、ひとまずは相手チームのDFリバウンドからの攻防に絞って話を進めていきます。
もう一つは、自チームのオフェンススキルの向上です。多くのチームで、最もゲーム形式で対戦をする選手は、自チームの選手ではないでしょうか。
日頃の5対5や、フルコート形式ドリルでのトランジションDFの質が高ければ高いだけ、それだけ、オフェンス側が突破すべき項目が多くなります。
ノーマークのゴール下シュートが減る事で、ペイントエリア周辺でのステップの使い分けや、シュート技術が求められます。
ひいては、対外試合における得点力アップも見込める事でしょう。
さらに視野を拡げて言えば、大きく言えば、日本全体のトランジションDFが向上すれば、日頃の対外試合で求められるフィニッシュスキルの水準も高くなります。
様々な観点で、トランジションDFの質的向上の取り組みには、大きなメリットがありそうです。
上記の視点については、JBAコーチカンファレンスの中でも語られていました。
また、同カンファレンスにて、女子代表チームの育成カテゴリーで代表チームを預かる荻原コーチも、トランジションDFの質向上の必要性を訴えていました。
日本が世界トップクラスの超強豪国と伍して戦うために「トランジションを武器にする」というキーワードの中にオフェンスだけではなく、「トランジションDFの強化」が必要であるという主張です。
以前、JBAが主催する全国コーチクリニックに、イスラエル出身で、欧州各国でコーチ歴のあるアリク・シベック (Arik Shivek)氏が登壇した際、同コーチは『カテゴリーや競技レベルにかかわらず、自分たちよりも身体能力やサイズに勝る強いチームとの試合で勝機を高めるため、ディフェンスリバウンドとトランジションディフェンスは欠かすことができない要素です』と強調します。
ゲームでの現象を考えると、相手チームとの身体能力差などが如実に発揮され、圧倒されるのが、トランジションの場面です。
走力、一瞬の瞬発力、リバウンド時のジャンプ力が遺憾なく発揮される場面であるからです。
それだけに、考え方や、優先順位、規律の整理が必要になる事でしょう。
次回の記事では、冒頭の動画を題材に、トランジションDF向上の為のアイデアを考えていきたいと思います。
◎参考
▽トランジション
攻撃と防御の切り替え
▽トランジションゲーム
攻防の切り替えが早いゲーム
▽トランジションディフェンス
攻撃と防御の切り替えの局面で行うディフェンス
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