ディフェンスのタスクを複雑化してチャンスを作る~FIBA-OQT決勝「チェコ対ギリシャ」より~12
引き続き、近年のチェコ代表男子チームの戦いを考察していきます。
前回記事では、『3人目、4人目以降のディフェンスのタスクを複雑化』させた結果、オフェンス側が掴み取ることが出来た良質なシュートチャンスについて紹介をしました。
今回の事例も、コンセプトとしては似た形となります。
1、プレーの構図
2、プレーの流れ
コート上の高い位置でオンボールスクリーンでオフェンスが進みます。
ディフェンス側がアンダーで対応したことに対してリピックを実施し、ペイントエリアにドリブルで侵入するチャンスを得ました。
※ここでの詳しい攻防は本稿では割愛します。
ペイントエリアに侵入しようとする際、コーナーのディフェンス(X3)も完全に目線をボールマンに向けます。
その事実を3の選手が発見します。
コーナーのオフェンスはゴール下の方向にカットしていきます。
X3の選手はその事実に気が付きます。
しかし、予期せぬ出来事であったのか、後手に回っている様子が見て取れます。
それと同時並行でウィングにいた5の選手もゴール下に飛び込みます。
X5は、ボールマンに対してかなり強めに飛び出していたため、ここにもパスコースが出来ました。
コーナーの選手を守っていたX3にとっては、ドリブルでリングに侵入してくる選手のケア、自分のマークマンのケアに加え、目の前に選手も飛び込んできます。
様々な情報が飛び交うことで対応が遅れます。
一瞬のスキを突かれ、ゴール下でのシュートが成功しました。
3、まとめ
このケースを考える際に、オフェンス3と5の選手が3Pエリアの外に留まるケースも考えられるでしょう。
その際のメリットは、ゴール下付近のスペースが広いことであると私は考えています。
ドリブルでリング周辺への侵入が成功すれば、シュートのチャンスや、キックアウトのチャンスが発生します。
デメリットとしては、X5、X3のディフェンスタスクがシンプルなことといえるでしょうか。
元々のマークマンの位置を把握した上で、ボールマンを守れば良いのでやるべきことが明確です。
このケースで、コーナーの選手がゴール下に飛び込んだことに対し、ウィングの選手は45度からコーナー方向へ拡がるプレーも選択肢としてはあるでしょう。
仮に、X3がコーナーからのカットに反応した場合、ボールマンをケアしていたX5にとっては、ウィングよりもコーナーに戻ることで、よりクローズアウトの距離が長くなります。
チェコ男子代表のカッティング1 チェコ代表チームのカッティング2 チェコ代表チームのオフェンス戦術 マークマンを見失ったディフェンスに対して生まれるオフェンスチャンス
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