FIBA-OQT決勝「チェコ対ギリシャ9」チェコ代表チームのカッティング2

オフェンス スキルアップ 動画 戦術 片岡 秀一

引き続き近年のチェコ代表男子チームの戦いを考察していきます。

前回より、相手ディフェンスのスキを突くカッティングのプレーも紹介し、チェコ代表チームのコンセプトの一部を紐解くことを試みました。(参考:FIBA-OQT決勝「チェコ対ギリシャ8」チェコ男子代表のカットプレー1

ピック&ロールに対するディフェンスの攻防が進化している中、「ボールマンをケアし、自分のマークに戻る」というタスクを複雑化したプレーを紹介できたかと思います。

最近では、アジアカップで5連覇を成し遂げた日本女子代表チームも、巧みなカッティングを武器としています。

鋭いドライブをした宮崎早織からオコエ桃仁花選手へ華麗なパスを見た方も多いのではないでしょうか。

また、東京五輪でも町田瑠唯選手のドライブに合わせ、赤穂ひまわり選手がカッティングをし、ゴール下での得点シーンが何度もあり、日本代表チームを勢いづけました。

本稿でも、相手ディフェンスのスキを突くカッティングプレーを紹介し、チェコ代表チームのコンセプトの一部を紐解くことを試みたいと思います。

1、プレーの構図

カッティングプレー1 カッティングプレー2

2、プレーの流れ

トランジションの流れから高い位置でのピック&ロールがスタートします。

ドリブラーが進行する方向に、2人の味方選手がいます。

ドライブの進入角度は異なりますが、前回のプレーと同様の構図です。

この場面、X4の選手が非常に高い位置でディナイをしています。

その理由は定かではありませんが、ピック&ロールをする際に、近くの選手にボールをつなぎ、ロールへのパスを狙うというコンセプトは存在します。

そういう意味では、中継地点としての4の選手へのパスコースを潰すことには成功しました。

しかし、チェコ代表チームにはカッティングに対する共通理解が存在します。

その瞬間を見抜き、ゴールへ向かって走りこみます。

そのすきを見逃さず見事にバウンドパスを通し、バスケットカウントになりました。

3、まとめ

ピック&ロールの攻防に対し、様々なコーチや選手が対応策を考える中、戦術が進化してきました。

X4の選手があそこまで高い位置にディナイをした理由は分かりません。

ただし、もしここで止まってしまっては、ドリブラーがペイントエリアにドリブルで侵入できるかどうかだけが良いオフェンスを成功させるための突破口となります。

究極的に、ドリブルとロールする選手以外は3Pエリアの外で待つことによって、オフェンスをシンプルにする発想もあるでしょう。

この場面でカッティングを織り交ぜることで、ゴールした周辺のスペースが潰れ、ドライブのチャンスが減ってしまうケースも考えられます。

ただし、このプレーによって拡がる可能性が何個も想像できます。

一つは、次のオフェンスにてX4の選手が慎重に自分のマークを守るということです。

そうすると、ドリブルをする選手に空間的および判断をするための時間的な猶予が増えます。

もう一つは、図におけるX2の選手です。

カッティングに対して反応をすれば、コーナーの2の選手がオープンになります。

3Pシュートを打つことや、クローズアウトを抜くことでゴール下の合わせの可能性も出てきます。

ドリブラーの判断能力が求められることは間違いありません。しかし、探求する価値のあるコンセプトではないでしょうか。

カッティングプレー3

次回以降も、チェコ代表のカッティングのプレー事例を考察していきたいと思います。

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この記事を書いた人:片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)

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