【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 速報!ウィンターカップの年始開催が消える

梅原 淳

日本の高校バスケットボールにおける最大のイベント『ウィンターカップ』に関して、大きな動きがあったので本レポートにてお伝えしたい。

今回は文字通りの速報として、今解っている事実を手短にレポートする。

JBAは日本のバスケットボールを改革するというチャレンジとして、カテゴリー問わず様々な取り組みを行っている。

その目玉の一つには「育成」がある。中でもミニバスケットボール、中学、高校という三つのカテゴリーにおいて今またはこれから、いくつもの見直しを行おうとしている。

私が深く関わる高校バスケは、冬の祭典であるウィンターカップが選抜大会から選手権大会へと変わり、全チーム参加の大会となった。

学校以外でU18のクラブチームがあれば、それも参加できる。

さらにこれからウィンターカップは日程が年始に移動し、中学生の全国大会『ジュニアウィンターカップ』が今年(2020年)の12月、つまり現ウィンターカップの時期に開催される予定となっている。

大きな動きというのはここだ。

この日程がなんと白紙になった。

白紙と言うよりも、元の日程に差し戻されたと言うほうが正しい。放映するメディア側からの反対により、年始開催を断念せざるを得ない状況になったということである。

 

▽視聴率3%台

昨年のウィンターカップ男子決勝戦は、福岡第一高校と福岡大学付属大濠高校という福岡県同士の戦いであった。この視聴率が4%を下回っており、そこに難色を示したという。

年末の他の番組は再放送が多く、それでも5%台。さらに年始の全国高校サッカーや他競技の放送も10%ほどの視聴率で、移動するとなると同じくらいの数字が要求される。

にもかかわらず男子決勝戦が再放送よりも視聴率が低いという現実と、年始に移動したことで数字が伸びる可能性が薄いことが重なれば、もはや誰しもが納得する決定なのかもしれない。

 

▼年始移動の予定で皆動いている

これが何をもたらすか。ただこれまで通りの日程に変更したで済む話ならば、わざわざレポートなどは出さない。

各都道府県のバスケットボール協会は、他にもJBAから様々な改革案を出されている。たとえば以前に緊急提言としてレポートした「高校リーグ戦」などである。

こういったものを全体として整理するべく、地方協会は年間行事を増やしたり削ったり日程を移動させたりなどして刷新しようとしてきた。

ウィンターカップについても出場するチームは県で1〜2チームだが、それに合わせて他の県内大会の日程もわざわざ変更するなどしている。調整したのにまた年末に戻ってきたのだから、そのすべての変更が大きく狂ってしまうことになる。

さらにジュニアウィンターカップも、今の高校ウィンターカップの時期に入る計画が中止になってしまったのだから大事である。中学カテゴリーの県内大会の日程も、またそれに合わせて新しいスケジュールに変えた都道府県もあるだろう。

 

▼どうするJBA

今のところはその決定事項について、元愛知学泉大学男子バスケットボール部ヘッドコーチで現JBAの山本明氏が、新人ブロック大会をひとつひとつ回って各県の代表者へ説明しているようだ。

問題はウィンターカップの日程どうのではなく、各地方協会が時間を掛けて決めてきた新しい仕組みや日程がいっぺんに吹き飛ぶ可能性があるということだ。

これをJBAはどう捉えるのか。

まさか決めるのは県のあなたたちなどと、自らの失敗ではないかのように寝言を言って逃げることは断じてしてはいけない。

視聴率が取れないのならばスポンサーは離れる。お互いに利益が無ければ手を切るということは、ビジネスとして当たり前の動きである。

そこだけアマチュアだから善意でお願いしますと、まさかパートナーの肩にもたれていることはあってはならない。

オリンピックや日本代表にばかり熱を上げてはいられないぞ、どうするJBA。選手とコーチから登録料をいただいているのだから、そのすべての人に尽力するのが責務だ。

さらなる急展開もあり得るので、引き続き注視していきたい。

(了)

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