熱中症にならないための根っこの話【梅原トレーナーのからだづくり哲学】

スキルアップ 梅原 淳 練習法

2022年の今年は、観測史上もっとも早い梅雨明けとなったそうです。

梅雨明けが早まるとその夏は暑くなるといった人も私の周囲にはいて、さてどうなるのか天のみが知るところですが、あなたは毎年の夏をどのように凌いでいるでしょうか。

スポーツにおいて極端な暑さは危険が伴いますから、最大限の注意が必要ですね。

この夏、コロナに苦しんだ数年間を払拭してみなぎるスポーツライフを送るために、どうぞ熱中症には充分な対策を講じてください。

それは、このレポートをいつもお読みになっている人ならよく理解されているとおり、「水分を摂りましょう」「あまり無理をせずに休みましょう」などといった話では無論ありません。

暑いのではなくて冷やしすぎ

根本的な問題として、本当に考えるべき重大事は、暑さよりも冷房によるからだの冷やしすぎが私たちの生活に広がり、それがもはや当たり前になっていることにあります。

暑さを凌いでいる状況などとっくに通り越し、冷蔵庫に入っているような冷却作用が、エアコン事情の困った現実です。

暑さに耐えるなんてもってのほかだと言って、意味のない根性論を引き合いに出しての正論ぶった考えが浸透し、加えて現実として一日の大半を冷え切った空間で生活していることの危険を指摘する人は、ほぼ皆無と言えます。

人は楽を覚えると、つい思わず流されてしまってどこまでも求めるという性質を持っています。暑さから逃れるために冷房を使い、適度に凌ぐ程度ならば問題は起こりません。

しかし実際は、温度をどこまでも下げ、風量を最大にして、さらに薄着になって冷たい飲み物をグビグビと飲みます。

完全に冷やしすぎです。

暑さとはもう無関係とも言える過度な冷却が、あなたの体力を奪ってしまい、グラウンドや体育館でスポーツをする際の環境になど、とても耐えられるからだでは無くなっているのです。

これを変えなくてはいけません。

日本は暑さ対策ができている

過度な冷却を正常で適切なものに改めることが本質の熱中症対策であり、それ以外は何をしようとも危険を回避することはできません。

根本的な問題を見ないのなら、あとはもう「スポーツをしない」という選択しか残らない。

これははじめに申し上げた根性論の話などでは、一切ありません。

私たちの生活は24時間の3分の2が起きている時間だとして、そのほとんどを冷房にあたってからだを冷却し続けています。

家でクーラー、自分の部屋にもクーラー、学校へ行って授業中はずっとクーラー、登下校でも電車やバスの中、建物内も全部空調が効いています。

暑いのは、外に出ているごくわずかな時間のみですね。基本的には暑さ対策などもう必要なく、どこへ行ってもどの場所でも空調設備は整っています。

今年は暑くなるようだ、今日の気温は35度(猛暑日)を超えるようだ、いつも私たちは心配します。

たしかに気候変動の大きな問題はありますが、まず日頃の話をすればいくら暑くても、日本の暮らしにおいてその心配はすでにしてクリアしているということです。

それならば問題の根はおのずと、運動中よりも暑さにあまりにも弱くなっていくことにあると分かります。

エアコンと熱中症はセット

では何がポイントか。

申し上げているように、極端な高気温の日は例外として、夏の暑い季節にもスポーツをするのですから、あえて行う以上は常日頃からからだの熱を維持しておくことは大原則です。

細胞は熱を発することで活動しています。冷やすことはその反対をしていることを意味します。この事実は正しく押さえておく必要があります。

エアコンを入れるなとか、暑くても我慢しろなどと申し上げているのではなくて、冷やす行為は基本的に身体活動を眠らせていくことである客観的事実を理解した上で、危険な暑さから逃れる方法を考えるのが正しい暑さ対策です。

熱中症が頻繁に起こるのは、ただ暑いだけではなく、運動しすぎたことがすべての原因でもなく、水分補給が足りていなかったことで終わらせるのでもなく、根っこには毎日の冷やしすぎがあり、その生活が普段となっていることにじつはヒントがあると申しています。

あなたのエアコン事情はどうでしょうか?

冷やすから涼むへ

エアコンの温度設定を、20度近くまで下げている人がいるならば、よほど脂肪が多い体型である場合を除いて、もっと上げてみませんか。

実際のところは27.0度前後でも、温度が高くて暑い、耐えられないと感じることはきっとないはずです。もちろん機器の性能の差はあるでしょうから、一度試してみることを提案します。

冷たいことが良いのでは決してありません。しかしもう冷え切らないと満足できない感覚になってしまっている可能性があります。それも予め注意深く観察してみてください。

誤った感覚がからだを弱くしているかもしれません。

加えて最後に、クーラー以外の暑さ対策をいくつも重ねてしまうことも、過剰のひとつです。

氷でキンキンに冷えた水分をがぶ飲みする、風呂も冷たいシャワーを浴びる、冷房が入っているのにさらに薄着、こういった光景はありがちですが、暑さを嫌う思いが止めどなく行動を増やしていきます。

これも脳の思い込みによるところが大きく、本当はすでに涼めていることが多いはずです。いったん全部外して、実際に必要なものだけに絞りましょう。

暑さ対策のはずが、いつの間にか冷却依存になっている場合が少なくありません。

この夏に熱中症で困ったことにならないために、どうぞ「冷やす」ことをやめて「涼む」ことをはじめてみてください。

エネルギッシュな夏になることを祈ります。

(了)

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この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。