ポストアップに対するダブルチーム~MHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクのディフェンスより5~

スキルアップ ディフェンス戦術 片岡 秀一

前回に引き続き、ドイツリーグ及びBASKETBALL CHAMPION LEAGUEにも参戦しているMHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクの試合を題材にしたいと思います。

同チームは、日本バスケットにも縁のあるジョン・パトリック氏がヘッドコーチを務められており、非常に激しいディフェンスが特徴です。

参加されているリーグの中でも、人件費の予算が潤沢ではない中で好成績を残されており、注目を集めている存在の一つと伺っています。

また、東海大学男子バスケ部の陸川章監督も、同氏からディフェンスに関して様々なことを教わっていることを折に触れてインタビューで明らかにされています。

ジョン・パトリックHCがドイツで行った講演では「Think outside the Box」として、自分たちが大切にされている哲学を紹介。

選手のタレントや実績に関わらずに、勝利を掴もうという発想や勇気を抱くこと。

そして、その為に従来の常識に捕らわれない、様々な戦術を活用することも紹介されています。

上記のように、様々な特徴や工夫を通じて、好成績を残されておられるはずですが、前回までに引き続き、インサイドで優位な相手チームのポストアップに対するディフェンスの攻防を中心に扱っていきます。

この記事では、実際にインサイドにボールが供給された際の攻防が題材とし、インサイドの選手であり、かつ周りの選手のカッティングやクローズアウトのドライブが発生したシーンを扱います。

1.センターでカッティング




2.プレーの流れ

エンドスローインよりインサイドを狙うプレーです。

今回は、トランジションの流れやスクリーンによる影響ではなく、元々のマッチアップでのポストアップの攻防です。

オフェンス側としては、このマッチアップがインサイドで優位であると判断し、意図的に、スムーズにポストにボールが集まるような構成としています。

それに対し、ディフェンス側もポストへボールが回った瞬間に、ミスマッチであることやダブルチームを仕掛ける攻防であることを理解し、ポジションを調整しています。

また、オフェンス側もディフェンスの陣形を把握しています。

ベースライン側ではなく、リング上方から攻め立て、コーナーへとスキップパスを通します。

X3のダブルチームシフトに対しすでにポジションを変えていたX5が対応します。

また、X5がコーナーをケアしている隙を突き、パスとほぼ同時期に、5番の選手がカッティングを試みていました。

 パスの後、元々のポストアップのマークマンであったX2がカッティングの選手に対応しています。ポストで攻めていた選手は、ダブルチームの選手に任せた格好となりました。

スキップパスの攻防では、X5のクローズアウトに対して3がミドルラインへのドライブを試みます。

リング周辺に十分に侵入する前に、X2が進路に立ちはだかります。シュートは見事に決まりましたが、決して簡単なシュートにはさせませんでした。

ただし、コースに入るタイミングが少し遅かったようです。

スローで映像を確認すると、シュートを放つ選手がシュートを打つためにジャンプをしてからコースに入っているようにも見えます。

実際に、レフリーも警告のようなジャスチャーをしている事を言及しておきます。

 3.まとめ

 本プレーの肝は、オフェンスの局面が変わった瞬間の反応と移動の速度といえるのではないでしょうか。

仮に、ダブルチームを仕掛けボールが離れた後も、2人のディフェンスが元々の選手にマークをしていては、他のエリアが数的優位になってしまいます。

また、カッティングをしてきた5番をノーマークにしても、3番から5番へパスを通されたらゴール下での得点を許すことになってしまいます。

タイミングとしては少し遅くなってしまいましたが、ミドルラインドライブに対しX3がすぐに反応をしたことも、予測や反応の高さを感じさせるプレーです。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)