食べるトレーニングを考えよう!体重管理では痩せられない(上)【梅原トレーナーのからだづくり哲学】
こんにちは、梅原淳です。
からだづくりをおこなう人は、とうぜん筋肉ムキムキを目標において、体脂肪など欠片もない理想の体型をゴールに定めていると思います。
でも現実にはまずブヨブヨの見た目をどうにかしなくてはいけない段階の人がいて、それは年齢に関係なく子どもでも肥満体型のスポーツ選手が一定数、存在しています。
競技スポーツをおこなう若者たち、いわゆる育成年代の人は毎日部活動などで汗を掻いていますから脂肪などつくわけがないと思われがちですが、実際は競技レベルで練習をしていても、加えて筋トレをしていても、皮下脂肪の多いジュニア・アスリートはさほど珍しくありません。
まず痩せなきゃ・・・という段階の選手は、私の受け持つ全国のチームでもつねに何人か見かけます。
今日はそのタイプの選手たちに向けて、ひとつアドバイスをしてみたいと思います。
反対はない
ダイエットというと、どんな人でも「体重」を気にすると思います。この二つの言葉はセットみたいなもので、私たちの生活において「ダイエット=体重を落とす」が定着していますね。
日々体重計に乗り、今日は何グラム減っただの、また増えただのと、デジタルで表示される数値を見て一喜一憂し、またそれを以て成果が出ているか後退しているかを判断していますが、ありのままに申し上げて的を思いきり外しています。
またそれは数字の大きさの話でもなく、「500gあたりは誤差でもっとキロ単位が本当の成果だ」といったことでもありません。
体重が落ちてそれが狙い通りに贅肉を落とすことへ繋がっているのならば良いですが、ほとんどの場合において私たちは体重計の数値だけで痩せたか太ったかを間接的に決めています。
本来の目的であるタプタプのお腹を凹ませることや、ポッチャリを解消することはどこかへ行ってしまい、ただひたすら数字との睨めっこ勝負をしてしまうのでダイエットはうまくいきません。
太った体型を絞ろうとするからこそ結果的に自然と体重も変わるのであり、体重を減らそうとして体型は変えられないのです。
体重が減った理由
体重を気にしている人は、わずか100gで一歩前進したと意識します。地道にそれを重ねていって最後は標準値まで辿り着きたいと願っていますが、それで状況は変わりません。
なぜなら質量の変化は贅肉とは無関係に、減ることも増えることもあるからです。
脂肪ではない部分で増減する可能性だってありますよね。また空腹か満腹かでも、シンプルに胃腸の内容物の重さがあるのですから体重は簡単に変わります。
さらには便の重さだってあるのですから、たくさん排便すればその分大きく体重が減ることだってあるのです。
もしスポーツをしているならば、部活動をしてたくさん汗を掻けば水分量が減りますから、そのまま体重も減ります。大汗を掻くことなど運動では当たり前なのですから、発汗量は無視できるものでもありません。
このように体重が増減する理由は、私たちの身近にいくつもあるのです。
鍵は筋トレでも体重でもない
お肉ブヨブヨ、ポッチャリ体型を改善したいのなら、体重を減らすための努力をするのでなくて、まっすぐに贅肉を溜め込まないようにする努力をすべきです。
加えてトレーニングをして筋肉をつけながら贅肉も落とそうなどとせずに、まずは贅肉だけクローズアップして脂の摂りすぎを改めることが最優先です。
育成年代のスポーツ選手で太っている人は、体を鍛えていないから太っているのではありません。
よほど運動量が少ないのは論外として、毎日練習をしており一般成人ではついていけないくらいのスタミナがあります。
それくらいハードに体を使っているということですから、もうそれだけで「体を鍛えていない」とは言えません。
加えて筋力トレーニングもするでしょうし、夏休みなどには合宿などで集中的に鍛練しているでしょう。
それでもポッチャリした選手がいるのは、もうそれは筋トレの内容よりも食事に原因があるからに他なりません。体重を指標にすることも意味がありません。見合わない脂分を摂りすぎているだけのことです。
体重ではなく見た目
要するに見た目の問題になります。
その見た目は体重にあまり反映しませんし、運動しながらや筋肉を鍛えながら自然と痩せていく理屈は、いつまでもポッチャリしたままの選手にはすでにして不適正であると、その現実が証明しています。
贅肉はただ「余計な重り(脂身)がくっついているだけ」のことではありません。もしかしたら代謝が悪く、血液も汚れ、関節も硬くなっていて、運動能力にマイナスをつくっている可能性があります。
その意味でも、体重を第一にいやそれだけで成果を決めるのは、悪いことは言いません、おやめになるべきです。
では見た目を改善するためにできること、それを次回考えてみましょう。
(つづく)
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