バスケットにおける期待値と効率化~理想のオフェンスの作り方~

オフェンス スキルアップ

シュートというのは、とりあえず放てばいつかは入るもので、不利な力関係で行われるゴリ押しの1on1や戦術性に欠けるオフェンスでも全く点が取れないということはありません。

しかし、近年バスケにおいては「期待値」や「効率化」がテーマとされており、そういった「決めても失敗のようなオフェンス」は強く避けられる傾向があります。

今回は、その2つの考え方について解説した後、観点から理想的なオフェンスの作り方について考えていきます。

期待値

期待値とは簡単に言えば、「特定のプレーによってどの程度点が取れる確率があるか」という数値です。

計算の方法は、【シュートの成功率×そのシュートで得られる得点=期待値】です。

例えば、3ポイントが40%、2ポイントが50%、フリースローが80%入る選手のそれぞれの期待値は

  • 3ポイント【0.4×3=1.2】
  • 2ポイント【0.5×2=1】
  • フリースロー【0.8×1=0.8】

となります。

この期待値が高いシュートをなるべく狙うことが効率よく得点を取ることにつながります。

この場合なら、【3ポイント>2ポイント>フリースロー】の順に期待値が高いということです。

この選手の場合、3ポイントを多く打つことが効率良く得点を取る方法です。

効率化

この期待値を元に、どれだけ確率の高い方法で点を取っていくかがオフェンスの効率化です。

しかし、単純に計算できないのが対人スポーツであるバスケの難しいところです。

例えば、ディフェンスが激しくついているときの3ポイントと、フリーの時の3ポイントでは決定率は大きく変わります。

また、2ポイントも

  • ペイントエリアからのシュートなのか
  • フリースロー程度の距離からのシュートなのか
  • 3ポイントより半歩程度前からのシュートなのか

で大きく確率が変わってきます。

これに3ポイントと同じく、ディフェンスのチェックなどの不確定な要素が加わるためより計算は複雑化します。

理想的なオフェンス

このようにスポーツを科学するのは、それを用いて有利に勝負を進めるためなので、一応最も効率的と言われる理想的なオフェンスがあります。

それは、以下の2つのオフェンス方法をメインにすることです。

  • フリーの3ポイント
  • ペイントエリアからのシュート

この2つが最も期待値の高いプレーであり、メインの得点源とするべきプレーです。

NBAの複数のチームや女子日本代表は、このようなオフェンス方法を積極的に用いていました。

3ポイントは、平均すると3割〜4割くらいがチームの確率ですが、フリーならば6〜7割程度に上がります。

そうなると期待値のかなり高いプレーであることは明白です。

2ポイントのフィールドゴールは、ミドルやペリメーターのシュートの確率も含まれるため4〜5割程度に落ち着くことが多いですが、ペイントエリアからのシュートは6〜8割程度を見込める場合もあります。

フリーならばほぼ10割で決めることができるため、確実な得点方法であることも含めて理想的な得点方法です。

これら2つを軸に攻めることが理想的なオフェンス方法と言えるでしょう。

おわりに

今回は期待値と効率化という概念から、NBAや代表チームでも用いられる理想的なオフェンス方法を解説しました。

しかし、NBAでもプレーオフなどでディフェンスが厳しくなると3ポイントやペイントエリアでのシュートへのチェックは非常に厳しくなり、簡単な打つことができません。

そういった時に逆に効果的になるのが決められてもしょうがないというふうに守られる、本来ならば期待値の低いミドルシュートになることも少なくありません。

あくまで、科学的な理論からすると理想的なオフェンスは3ポイントとペイントエリアではありますが、ディフェンスの守り方や試合の状況によって1番得点の取れるエリアや方法は変わっていきます。

試合の状況を見て、コート上の一人一人の選手が常に正しいプレーを選択することが理想的なオフェンスといえるでしょう。

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この記事を書いた人関野 日久関野 日久(セキノ ハルク)
関西1部リーグの大学を卒業後、現在は実業団でプレーしながらプレイヤーとしてのレベルアップを目指しています。このブログでは、高校・大学・社会人、それぞれのカテゴリーでのトップレベルの選手とのプレーの中で自身が経験した、バスケ選手としての高みに行く方法を発信していきます。
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