食べるトレーニングを考えよう!「栄養学的なお米の上手な食べ方-その2」【梅原トレーナーのからだづくり哲学】
前回は、体への負担を減らしてプラスを増やすお米の上手な食べ方として、玄米を削った「分づき米」をご紹介しました。
食べるトレーニングを考えよう!「栄養学的なお米の上手な食べ方-その1」
いまの白米は、大幅に外側が削られて胚乳(デンプン質)だけになっていますが、その上に芽の出るところである胚芽がくっついていて、糊粉層、種皮、果皮、籾殻の順で覆われています。
玄米とは籾殻を取り除いたものを言い、水の浸透しづらい固い皮に覆われていますからそれらを取り除いて、さらに味と色を良くするためにもっと削って現代の真っ白なお米になっています。
しかし本当は、真っ白な部分の外側にある糊粉層と胚芽に、デンプン(多糖類)以外の栄養素がたくさん詰まっているのです。
完全に精米せず、少し茶色い部分を残すと米にはたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維とたくさんの栄養成分が残ります。
性質の違う成分が多いことはお互いを助けるためのスクラムでもあり、たとえばエネルギー源の主である炭水化物も、ビタミンB群が支えてこそ代謝が増えます。
脂質やたんぱく質を多く含んだ肉魚を食べるとその老廃物は腸に留まりますが、食物繊維がそれを一緒に排泄してくれますし、脂とたんぱくを中和するために野菜の酵素が活躍しています。
つまり私たちの体の中では、栄養素単体で活躍しているのではなく手伝いあってチームで働いているわけです。これがとても重要なことです。
白米に混ぜる
では、分づき米にしないもしくはできない場合に、次に良い方法がありますのでご紹介します。
それは雑穀を混ぜることです。
ネットで検索すれば簡単にヒットしますので、誰でも可能な手段と言えます。商品もたくさんあるので、すぐに購入することができます。
ひえ、あわ、きび、はとむぎ、キヌア、アマランサスなどがよく耳にする名前です。
個人的なことを申し上げますと、私はそこに古代米(赤米、黒米、緑米)と小豆を加えています。
米は白米でも、そこへ雑穀等を加えて食べることで分づき米と同じく五つの栄養素をまんべんなく摂ることができます。
ちなみに古代米とは、稲作が始まった当初に栽培されていたカラフルな色の米のことです。現在の品種になったのは奈良時代ころだそうです。
基本は一物全体で
白米は危険だと警告している意見は、糖質だけの偏った摂取(過剰摂取の表現は間違い)を指摘しているのであり、そのリスクを減らす方法は一物全体で米を食べることです。
決して米を食べることが悪いのではありませんが、誤った情報の広め方によって世間ではいかにも「じつは米を食べると病気になる」かのように伝わっています。
現代的な商品価値を第一としたお米はたしかにデンプン質のみで、常食していればいずれ病気を呼び込んでしまうかもしれません。データが示すように可能性は高いでしょう。
しかしそれも元は私たちが贅沢な食べ方を選んでしまっただけのことであって、米の本来はもっと別のかたちであり、体に優しくて栄養価も高くて本当に素晴らしい大地の恵みです。
だからこそ私はスポーツに勤しむ人たちやその保護者さまに、米を食べましょう!とはっきり申し上げています。
毎日フル回転
私は自宅に精米機を置いています。
家電量販店で数万円しましたが、食べる直前に精米したいのと季節などで精米歩合を自由に決めたいと思い、8年ほど前に購入しました。
自然栽培の健康なお米を栄養満点の状態で食べることは、わが家の活力源となっています。子どもたちもエナジー漲り、運動も勉強も冴えまくっています。
季節によって七分づきか五分づきに精米して、雑穀類も混ぜて炊いたご飯はそれだけで充分なほど素晴らしい食事です。
精米機は持てなくても、白米に雑穀を混ぜるだけでリスクは大きく減りプラスを増やせます。
一日の生活スタイルが体力的消費の少ない人はご飯の量を減らし、スポーツマンなど体を多く使う人はそれに見合った量にして、一物全体でお米の恵みをいただいてください。
授業のような栄養学的内容にならないよう、小中学生でも無理なく頭に入るような表現で書きました。
成長期の子どもたちには、とくに重要な話になります。お米文化を礎に、これからも漲ってスポーツを楽しんでください。
今回も最後までお読みいただき、心から有難うございました。
(了)
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