体づくりの成果が見られない理由はこれかもしれない【梅原トレーナーのからだづくり哲学】

スキルアップ トレーニング フィジカル(身体) 梅原 淳

体力づくり、体づくりを行う場合に、それを技術練習とも並行させてどの程度の頻度で行うと良いでしょうか。

中高生のトレーニング指導にうかがうと、顧問の先生から必ずそのような質問をいただきます。まれに生徒さんから尋ねられることもあります。

たとえばあなたはウエイト・トレーニングを、一週間にどのくらいの割合で行いますか?

技術練習はもちろん毎日のことです。週に一回の休息日があるとして、残りの六日間は練習をします。週末の土日には、どちらか片方もしくは両日ともに試合を組んでいる場合もあるでしょう。

仮にそのような練習スケジュールだとして、体力づくりのプログラムはどういった組み方をするのが望ましいでしょうか。

現実的な参考材料を提示したいと思います。

トレーニングに取れる時間はない

昔から体力づくりに分類されるものは、補助的に扱われてきました。技術練習の側面として体が丈夫で強いことが有利に働くとして、不可欠要素というより追加要素で付属的に選択されてきました。

それはいまでも根っこではあまり変わっていません。だからウエイト・トレーニングのようなものは、練習の隙間時間に補足で行うような意識がまだまだ強く残っています。

私が二十代の頃、有志で開催していたバスケットボールの勉強会で「練習しなきゃいけないことが沢山あるから、トレーニングの時間なんてあまり取れないんだよ」とおっしゃる実業団の監督さんがいました。

これはその監督だけの考えではなく、部活動の先生たちも基本的には同じです。現在はトレーニングを積極的に取り入れるケースが増えましたが、かといってその基本スタンスは変わっているとは思えません。

事情で決まる

コーチの多くが一様に「トレーニングの重要性について認識している」と口を揃えますが、実際には技術練習への取り組みがほとんどで、もし時間に余分があればトレーニングを入れるという考えの人が大半です。

そうなれば自ずとトレーニング頻度は一週間に一度か二度、しかも学校の都合上で技術練習のできない場合にその時間を埋めるものとして、場所を選ばず取り組める体力トレーニングが最適であるとの理由から、廊下で筋力トレーニングをしたり学校の周りを走ったりしています。

体力トレーニングを積極的に取り入れているわけではなくて、練習日を確保するための穴埋めが主たる理由です。

定期的に行うわけではなく、週1〜2回の頻度で、時間も60分程度の体づくりになります。

部活動における現実は、体力や目的に合わせたトレーニング頻度ではなく、御家事情により決まる頻度が実際のところです。

まずこの事実を踏まえた上で、日本の多くの子どもらが体力的観点からどのような頻度が望ましいかを考えます。

トレーニングの目的が変わった

基本的に体づくりは、たまにおこなって強く追い込むよりも、小さくとも毎日こつこつ継続したほうがよく伸びます。

頻繁になれば高負荷にできませんが、それでも体へ馴染むことのほうが断然に有意義です。

負荷が強いことより頻繁であることが効果的だし、長く何時間も実施するより短くして毎日行うほうが成果を生み出せます。

しばしば耳にする話として、普段の練習メニューに体づくりを組み込んで毎日取り入れているものの、ほとんど成果がないというケースがあります。それは作業的に流して済ませるために成長がないのであって、そもそも負荷量の問題ではありません。

昔は週3回が目安と言われましたが、それは筋肉の超回復を基準にしていたからで、トレーニングの目的が筋量および筋力の増強にありました。

現在、それを主にトレーニングをしていることは少なくて、競技力のさらなる向上のためには運動技術能力を深めることが中心であると、多くのアスリートにおいて理解されています。

スポーツ活動に合わせた取り組み

これまでは技術練習と体づくりがそれぞれ別のものとして位置づけられ、練習環境が変わらないなかで二つのことを行うという認識であったために、先のような実業団監督の言葉もあったと考えます。

しかしいま、体づくりは技術練習と別ものでしょうか。いいえ双方を交えてひとつの競技力向上への取り組みです。トレーニングの内容もそのように進化しつつあります。

また現代の子どもらの体力的な質と言いますか、肉体的成長の進み方も一昔前とは変わっているように日々現場に出ている身としては実感します。

いまに適した手段を考えても、筋肉づくりを第一にすることから発達上達はゆるやかでも体に馴染むことを中心にするほうが有効的です。

これまでは効果効率を求めすぎて、手っ取り早くパワーアップすることに偏ってしまっていたかもしれません。

トレーニング頻度は、その目的と位置づけによって変わります。これまでのトレーニングの扱い方をガラリと一変できるならば、その成果も本来の伸び方をつかめるはずです。

毎日10〜15分、体力的な負荷を掛ける内容をつくってみてください。この程度の時間でも、こつこつ毎日取り組むことで今まで変わらなかった体が変わっていきます。

もしやと思ったあなたは、どうぞチャレンジしてみてください。全力で応援致します。

(了)

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この記事を書いた人:梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。