【梅原トレーナーのからだづくり哲学】子のスポーツに関わる親の役割とは何か

スキルアップ 梅原 淳 育成法

我が子のスポーツ活動について、その関わり方に悩む親は多い。私は以前に自らのYouTubeチャンネルにて、スポーツ親子の話をしたことがある。

悩んでいないよりも悩んでいるほうが、状況をよく見ているという点でまだ健全と言えるかもしれない。

良かれと思って声を掛け、良かれと思って手を差し伸べる。親はサポートのつもりで正しいことを言うのだが、子からは良い反応が返ってこないことが多い。

だから父は、母は、ときに悩む。我が子に受け入れてもらえないことを、どうにかして改善したくて悩む。だから「関わり方が難しい」と考えてしまう。

しかし、我が子のその反応は当然のこと。関係していない人が関係しようとすることが、まず立場に合わないのだ。

スポーツの上達に関して親の出番はない

お子さん自身が創り上げている社会の中の自分や、スポーツを行う自分というものに、親の役割はない。

親は親であって、学校の先生ではなく、スポーツチームのコーチやチームメイトでもない。親は外の世界(社会)に出てはじめて関わる他人とは、まったく違う存在なのだ。

もし親がコーチならば、コーチという立場として関われる。それなら問題はない。コーチという立場の人が、たまたま親であったというだけのことになる。

しかし裏を返せば、いるのはあくまでコーチ役なのであって、やはりそこに「親」はない。つまり子のスポーツ活動における親の役割は、基本的に無いと自覚すべきなのだ。

そもそもが無理なこと

役割がないのに入り込めば、それはされる側の子どもからすれば邪魔に感じる。関係ない人に、横から口を挟まれていると思うだろう。

実際、コーチでもなくチームメイトでもないのに、自分の事についてアレコレと干渉され詮索されるのは誰だって嫌いなはずだ。

コーチじゃないのに親がコーチの顔をしてはダメだし、コーチが言うような発言をするのは御法度である。

またマネージャーでもないのに身の回りの世話をやくのも、決して良いものではない。準備は?段取りは?と、口やかましく指摘されても仕方がないと思えるのは、その立場にある人に言われるからだ。

その立場の人がきちんといるのだから、それを親が奪って好き勝手に顔を覗かせることは適切ではないし、おそらく子もそれを求めていないだろう。

子との関係づくりが難しいのではなく、そもそも無理筋なのだ。

家族の役割

基本的に子が外の世界で育んでいるところに、親の仕事はない。親は、子の内なる世界の人たちである。

ファミリーでありホーム、帰る家だ。

そこに親の役割がある。

精の出るご飯をつくって腹一杯食べさせてあげるお母さん、人の生き方を背中で見せるお父さん、いつも優しい目で成長を見守る祖父母、そしてライバルであり最大の友である兄妹たち。

ちゃんとあらかじめ決められた役割がある。

他にも家族には、ときに金銭面の援助もあるだろう。お金で頼れるのは家族だけだ。そういうものこそが親はじめ家族の仕事であり、お互いの立場と関係と心得たい。

自分のしてあげたいことは捨てて、与えられた仕事をしよう。それを子に尽くすべきだと思う。

親としての自然な立場

子が外の世界で育てている勉強やスポーツ、様々な自分の生きる道について、残念ながら親の出る幕はない。

私は仕事でアスリートに体力づくりを指導しているが、子にそれは一切しない。

一緒に楽しむことはする、家族として。だが決してコーチ的な横やりはしないと決めている。まず私自身がしたいと思っていない。

親の皆さんは、つい専門性を持ち出したり口を挟んだりしたくなる気持ちはよく理解するが、お子さんにはどうあってもマイナスになるので、どうか己の欲はお捨てになって本人の自由にさせてほしい。

親が子から頼られている事は別のところにちゃんとあるので、それを正しく知ることが重要だろう。親はあくまで親であるから。

もし子のほうから「お父さん教えて」「お母さん話を聴かせて」と求めてきたならば、その分で応じてあげることはできるはずだ。必要に応じてサポートすることは子のプラスになる。

親が子のスポーツに関わることは難しい、そのとおりだ。難しいことをあなたはしようとしている。だからそれは悩むことではなく、関わらないことが肝心と理解しよう。

それが親と子の自然な立場なのですから。

(了)

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この記事を書いた人:梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。