アメリカでも知られているシュートの理論とは?
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ワンハンドでの3Pシュートについての潮流は前回に記載した通りである。
日本代表クラスでのエピソードとして紹介をしたが、各カテゴリーの競技でも同様の考察が可能である。
それについては後述する。
ワンハンドシュートの利点を、もう少し掘り下げてみたい。
以前、とあるカンファレンスにて、一般的に言われる「シュートの打点」以外にも、ドリブルからのシュートについての考察も紹介された事があった。
曰く、ツーハンドシュートは、ワンハンドシュートと比較し、動きながらのシュート動作で左右の調整が非常に難しいという指摘である。
例えば、クローズアウトの場面でチェックを交わしてドライブをする。ゴール下まで攻め込めず、ミドルエリアでストップジャンプシュートを打つ場面。
または、ドライブに対してDFが粘り強く反応。
ショットクロックの兼ね合いもあって、ストップからターンをしてシュートを放つ。
このような場面で、どうしてもツーハンドの場合には左右のズレが大きくなってしまうという。
それは、右手と左手での力加減の側面もある。
そして、打点の関係上、DFとシュートを打つためのスペース創出の為に必要な動きも関係があるだろう。
ツーハンドの場合、より多くのスペースを必要とする為、ストップ後に動かなければならない領域が増える。
その結果、シュート前の動作が大きくなり、それがシュートに影響を与えるという事だ。
昨今のバスケットの中で、ゴール近郊でのシュートと、キャッチ&ショットの3Pシュートが非常に大きなウェイトを占めている。
ミドルレンジでの2点は、そこまで必要な点数ではないのかもしれない。
しかし、それでも一定数の得点は必ずミドルレンジからも必要であるし、その領域で得点を決められる脅威が創り出す3Pやゴール下の得点も多い。
NBAを制し、ファイナルMVPに輝いたカワイ・レナード選手の強みは、持ち前のDF能力に加え、3Pシュートも2点も沈められる能力を保有する事にあった。
その中で、注目を集めているのが今回の映像教材で紹介されている「FOREST理論」だ。
講師の今倉氏も語っているように「アメリカでも知られているシュートの理論」であり「卓越したシュート力を残している選手に共通する要素を抽出した項目」だという。
ショットクロックのルールの変化、3Pシュートのライン拡張など、バスケット界には大きなルール変更があった。
それに伴い、戦術も変化し、昨今ではスポーツアナリティクスが競技に与える影響も大きくなっている。
3Pシュートの重要性が叫ばれる中で、その過酷な競争社会を生き抜いた選手らに共通する特徴という事だ。
従来のシュート理論を礎とする部分と、ある種、従来の考え方を否定する部分が共存する本理論は、より自然に、より効率的に、安定してボールをリングへと到達する事を目的とした理論である。
また、もう一つの特徴が、アメリカで語られている理論を、ただ日本語に翻訳したわけではないということだ。
日本バスケット文化を観察し、かつ何度も渡米をして現地で勉強を重ねてきた今倉氏が長年の研究成果が凝縮されている事が特徴だ。
その為、日本の選手へ伝える際の工夫があり、日本人選手の特徴も十分に踏まえた上での内容に仕上がっている。
コーチにとっては、シュートに対する新しい考え方だけではない。
疑問を持ち、それについて考え、足を運び、聞き、また自分自身で咀嚼をして考える。
その上で、自分の1つの考えとして再構築をする。そのような探求のサイクルも味わえる。
コーチが本来持っている探求心、好奇心、知的好奇心を刺激する内容にもなっていると感じる。
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