【片岡編集長】番外編 U19男子日本代表チームのオフェンス5
U19男子代表チームのワールドカップが終わりました。また、佐古賢一HCの離任も7/19(月)に発表されました。
今回のチームは、U16代表時代より「A代表を意識したセレクションとポジショニング」を方針としてスタートし、合宿等も積んでいます。
戦績としては勝利を掴むことはできませんでした。
しかし、サイズのある選手が成人以降にプレーすることが予想されるポジションを10代で経験し、国際大会の経験を積んでいることは将来の糧になるでしょう。
今回は、試合中のスキルに着目したいと思います。
私は、『バスケットボール・プラネット』にて、今大会でアシスタントコーチを務めた前田浩行さんに取材をし、記事の執筆も務めました。
その中で以下のような分析をいただきとても印象に残りました。
- 『バスケットボールの戦術が変遷している。その中で必要(有効)なスキルも変化している。特にピック&ロールの戦術が発展し、ドリブルをしながらコートの状況を捉え、次のプレー(ドリブル、パス、シュート)を選択するスキルは、最も顕著な事柄の一つ』
そのような背景より、合宿等ではポジションをコンバートするだけではなく、必要なスキルも国際レベルのスタンダードを選手に提示し、習得を目指して取り組んできたのではないか、と推察します。
その視点より、本稿では細かなパススキルに着目してみたいと思います。
1、技術について
パスのスキルは、良質なシュートやチャンスを作り出すために非常に重要になるスキルです。
講習会等では、下記のような考え方が紹介されています。
- パスを考察する際に大切な視点はパスの出し方です。
自分の体の両肩と両腰骨(シンプルにいうと胴体)を『BOX』と呼び、そのBOXから外してパスを出すことを奨励されていました。
多くの場合、目の前の位置にはディフェンスがいるためです。
BOXの内側からのパスは、相手ディフェンスの影響を受けてしまいます。
普段から、BOXの外からパスをする発想や、それを正しく遂行するスキルが重要です。
1つ目の動画では、ドライブインで相手ディフェンスにコースを止められた後、体の脇部分から片手でパスを出しました。
ここで、パスが通ったためノーマークでアウトサイドシュートを放つことに繋がっています。
もし、ここで両手でのチェストパスしか選択肢がなかった場合、あの場所にパスを出す発想が出てきません。
もちろん、確実にピボットをすることも有効なプレーです。ただ、この3Pシュートのチャンスが消えていたことでしょう。
2つ目の動画も、バウンドパスの出し方を工夫することで相手のプレスを交わすことに成功しました。
踏み込んで自分のBOX(胴体)からボールを遠ざけ、サイドスナップパスのような出し方で、相手の手の下を通しています。
細かなスキルですが、着目および追及すべきスキルといえるでしょう。
2、まとめ
このようなスキルや発想を選手自身が習得するには、日頃からの習慣が重要になるでしょう。
欧州のリーグで活躍するコーチは、ウォーミングアップを兼ねる日頃のシューティングドリルの中でも身体の外側からパスを出すことをドリルの中に組み込んでいました。
そのようにすることで、当たり前の技術として、チームに定着することを意図されているとのことです。
一つの試合で、パスの交換回数は250回近くになるというデータもあります。
試合中の成功体験や失敗体験、実戦形式の練習での技術習得は重要です。
同時に、様々なドリルの中に組み込むことも重要になるでしょう。
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株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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