【片岡編集長】ナショナルチームのゲームより24『強烈なドリブルプッシュと3Pシュート』
本稿でも、前回までの記事と同様にニュージーランド代表チームを題材とします。対象とする試合は、111対81で勝利をした日本代表とのゲームです。
同チームのプレーを見ていると、各選手の特徴が重なり合い、相乗効果を発揮している事を感じました。
各々の選手のプレーの領域が混在せずに、自らが得点チャンスを狙うプロセスと、周りの選手を活かすプロセスが両立しているように捉えることができました。
非常にシンプルなプレーですが、その一例をご紹介します。
1、プレーの構造
2、プレーの流れ
日本代表チームのオフェンスの後、ニュージーランド代表の#42 Isaac Fotu選手がリングに向かって全力疾走します。
ここで、日本代表も竹内選手、ファジーカス選手の両選手が必死に戻る様子が見て取れます。
同時に、ボールを保持している#0 Tai Webster選手がリングに向かってアタックしてきます。
田中選手がマークをする事を明確にしている為、ディフェンスが混乱している様子はありません。
先ほどのインサイドの部分も竹内選手がマークをし、ファジーカス選手がゴール下のポジションでHelpの位置取りをしました。
田中選手は日本代表の中でも屈指のディフェンス力を誇る選手です。ここでも相手の突進を守ります。
しかし、ドリブラーは深い追いをせず、身体の向きを変え、トップに走り込んでくるにパスをします。
ドリブルに対し、ファジーカス選手がゴール下でHelpに反応したこともあってノーマークとなりました。
3Pシュートを得意とする#14 Rob Loe選手がシュートを放ちました。シュートとしては外れましたが決まってもおかしくないシチュエーションでした。
3、まとめ
トランジションDFの場合、インサイドの選手は、どうしてもゴール下まで守る必要性があります。特に、リムランを積極的に仕掛けてくるチームの場合は同様です。
また、今回の場合はポイントガードの選手の強烈なドリブルプッシュの脅威もありました。
同時に、トレーラーとして最後にオフェンスに合流をする選手が3Pシュートを得意とする場合、トップの位置も守る必要性があります。
また仮に、ここで#0 Tai Webster選手が強引なだけで、判断を伴わなければゴール下でファジーカス選手のブロックの餌食になっていた事でしょう。
自らもしかけつつ、味方の状況を理解しているからこそのプレーに繋がったと言えるのではないでしょうか。
翻って日本代表としてこの場面だけを切り取るならば、一つはなんとかドリブルプッシュをしてくる選手をペイントの中に入れない事。
もう一つは、最後に合流するトップの位置までのケアを含め、1人で2人を守る時間をさらに増やしトランジションディフェンスにおける精度を高める必要があったかもしれません。
または、ドリブルプッシュのHelpが不要であると判断をした際、ファジーカス選手がすぐにトップの位置にダッシュでマークをする判断が必要になったかもしれません。
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株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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