【片岡編集長】ナショナルチームのゲームより20『ニュージーランド代表のアーリーオフェンス5』

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チームプレーの中でも、自分たちの強みを突く老獪さを持つ

本稿でも、前回までの記事と同様にニュージーランド代表チームを題材とします。

対象とする試合は、111対81で勝利をした日本代表とのゲームです。

前回は、同チームの華麗なオフェンスを組み立てている要素として、「アーリーオフェンスとハーフコートのプレーとの滑らかな連結」を紹介しました。

今回は、下記動画のシーンを通じ、戦術の遂行能力や臨機応変な判断力の高さの記事とする事を試みます。

1、プレーの構造

2、流れ

本代表チームがシュートを成功させたのち、ニュージーランドはガードの選手が合図を出し、チームと指定したプレーをスタートさせます。

ここでは、トランジションの場面でも頻繁に見られた「インサイドの選手とウィングの位置でのハンドオフ」を選択します。

ップの位置でガード同士のパス交換の後、一気にボールがウィングに飛びます。安藤誓哉選手は、スクリナーの下側を通過し、レイアップに持ち込まれないようにディフェンスの移動経路を選択しました。

こで、ボールを保持する#0Tai Webster選手は安藤誓哉選手とのマッチアップに対し、体格やパワーで有利な状況であると判断し、ボールをレシーブした流れでゴール下へと押し込みます。最終的にはステップインからシュートを成功させました。

3、まとめ

厳密に言えば、お互いに準備をしあった中での#0Tai Webster選手のポストプレーであれば安藤誓哉選手もゴール下に押し込まれる前に、ストップできるかもしれません。

上図のように、しかし「アンダーを選択した都合、ボールを受け取った時点でディフェンスとの間にスペースがあり、リング方向への突破力を発揮しやすいシチュエーションである事」及び「安藤誓哉選手にとってもこの場面でのポストアップに近いドリブルは予期せぬプレーであり、心理的、身体的な準備が少し遅れた事」も影響しているのではないでしょうか。

以前にも、トランジションオフェンスの中でこの形でボールを受け取り、ポストアップのような形でリング周辺まで押し込むプレーがありました。

その際には、インサイドのファジーカス選手がゴール下を守っている事を見抜き、スクリナーの選手が3Pラインに待機し、ノーマークで3Pシュートを放ちました。

プレーとしては非常にシンプルなプレーですが、相手チームのディフェンスの特徴や自分たちの強みを見抜く戦術眼を備えれば、様々な選択肢が誕生します。

ニュージーランド代表チームの華麗なオフェンスを支えているのは、各選手一人一人にまで浸透した戦術の共通認識の的確さにもあると感じさせる場面でした。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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