【片岡編集長】ナショナルチームのゲームより15 アーリーオフェンスでの『ドリブルプッシュとSpacincg』

オフェンス スキルアップ ライター 動画 戦術 片岡 秀一

これまで、スペイン代表、アルゼンチン代表の事例を紹介したのちに、オーストラリア代表、アメリカ代表チームのプレーを紹介していきました。

今回は、今、世界のバスケットボールで最も注目されている選手の1人と言っても過言ではない選手を擁するギリシャ代表チームに着目してみます。

映像では、選手がリングへとアタックをし、いずれもフリースローを獲得しています。パッと見ると、非常にシンプルです。

身体能力とドリブルスキルに長けたアンテトクンポ選手が突進をしているだけに見られるケースもあるのではないかと思います。

しかし、複数のプレーを通じて深く考察してみると、ギリシャ代表チームに存在するチームの共通理解が垣間見えます。

アンテトクンポ選手の特徴を活かすために、残りの4人の選手も連動している事が分かります。

1、プレーの構造

2、プレーの流れ

回は2つの局面を紹介しています。

リシャ代表がディフェンスからオフェンスに切り替わる局面の中、アンテトクンポ選手がリバウンドを獲得しました。

アンテトクンポ選手は、自分の特徴を活かしてリングへと真っすぐに向かいます。

最初の映像のように、自分とリングとを結ぶラインにディフェンス選手がいる場合には、最後のシュートの場面で、ユーロステップ等を駆使して交わす事を狙います。

ここでは、ユーロステップに反応しようとしたディフェンスのファールを誘い、フリースローへと繋げました。

2回目の場面を見てみましょう。リバウンドを獲得した選手は、まず、ポイントガードの選手へとボールを預けます。

その後、直ぐにポイントガードの選手はアンテトクンポ選手にボールを託します。

今回のケースでは、自分とリングとを結ぶラインに、ディフェンス選手が完全にはポジションを埋めていませんでした。

いち早く、そこのポジションを狙いに突き進みます。ディフェンス選手もコースに入ろうとしますが、後手になりブロッキングを宣告されました

ここでも、フリースローへと繋がっています。

3、総括

ちらも非常にシンプルなプレーです。

しかし、もしアンテトクンポ選手はリングへとドリブルで向かいシュートチャンスを伺っている中で、ギリシャの他の選手もリングに向かって走り込んでいた場合、今回のようなプレーが成立したでしょうか?

また、2回目の場面でポイントガードの選手が自分でボールを運ぼうとした場合を考えてみます。

同選手は、バルセロナでも中心として活躍をするNick Calathes選手です。

世界を代表する選手の1人ですが、アンテトクンポ選手のスピードに比べると、やはりどうしても劣ってしまいます。

それだけアメリカ代表のDF選手が戻れる可能性も高くなります。

もし、自分でのドリブル突破を試みたのちにアンテトクンポ選手にボールを託したとしても、今回のようにブロッキングファールを獲得する事は難しかったかもしれません。

その他のプレー等からも分かる事ですが、トランジションの場面、ギリシャ代表はアンテトクンポ選手の特性を最大限に生かすために残りの選手が動きます。

ボールを持たない選手は3P選手の外に位置するように走り、リングとリングを結ぶラインにスペースを作ります。

ディフェンスリバウンドを獲得した選手は、なるべく早めにアンテトクンポ選手にボールを預けるべく、プレーを判断しています。

もし、ディフェンス選手が、複数人でアンテトクンポ選手の突進を防ごうと思えば、残りの選手がフルーになります。

アンテトクンポ選手もチームも戦術や、ディフェンスの状況を理解している為、適切にアウトサイドにパスを供給します。

つまり、局面だけを見ると個人技のように見えるプレーであっても、チームの共通理解で成立しています。

  • なるべく早くアンテトクンポ選手にボールを預ける事」
  • 残りの選手が3Pラインの外側に位置取り、コート中央にエリアをアンテトクンポ選手がドライブを試みるスペースを作る事

を両立する事で、チームの質の高いシュートチャンスを最大限に増やそうとしています。

勿論、ディフェンスがリング下を優先した場合には、適切にキックアウトパスをする事。

ボールを受け取った選手は、ディフェンスの状況を見極め、3Pシュートを放つかカウンタードライブを試みる事までがセットとなります。ここでも、個人の判断力が重要となります。

また、オフェンスの中で「パス」の回数も多くはありません。

しかし、「パスをする事」だけがチームプレーではありません。

各選手の特徴を最大限に生かしたギリシャ代表チームのチームプレーといえるでしょう。

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この記事を書いた人:片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)