【片岡編集長】トランジションディフェンスの向上を目指す18~U19ベルギー女子代表より~

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これまで、U19女子代表のゲームより、ベルギー代表チームの特徴を取り上げてみました。

また、一例だけを抜き出すのは不公平であると感じつつも、日本女子代表の失点シーンも抜き出してみました。

当然ながら、ベルギー代表チームでもトランジションディフェンスでの連係ミス等はありました。

しかし、「この試合でファーストブレイクのポイントが0点だった」との荻原HCのコメントにあるように、高い水準にあった事が分かります。最終的にも、63対43で敗戦しています。

◇実際の数字はどうだったのか?

今回、4Factorという指標を活用し、本ゲームの特徴を明らかにしてみたいと思います。

これまでの記事では、ベルギー代表チームは、オフェンスリバウンドに積極的に絡むよりも、日本代表チームのファーストブレイクかアーリーを守る事を優先した戦術であるとし、その具体策を何個も紹介しました。

ここで、必ずしも、オフェンスリバウンドに飛び込まない事が是ではないという事を強調したいと思います。

あくまでも、日本と対戦する際のベルギー代表にとっては、勝利の確率を高めるために大切だと判断しただけであって、オフェンスリバウンドに積極的に飛びこむことが勝利の確率を高める組み合わせも存在すると思います。

例えば、極めてDFリバウンドの質が低いチームや、ドリブルプッシュが得意なアウトサイド選手や、ブレイクでの意識が希薄なチームの場合、やすやすとオフェンスリバウンドの機会を逸するのは損失であると言えるでしょう。

◇オフェンスの量よりも、ディフェンスの質を重視した戦術

今回のベルギー代表は、いわば、オフェンスの量よりも、ディフェンスの質を重視した戦術となります。実際のところは、どうだったのか。前述の4Factorでの数字を下記に記します。

上記で特徴的なのは、「攻撃の質」の指標ともいえるeFG%数字でしょう。

本稿で詳しく説明は割愛しますが、日本のeFG%を31%に抑えています。

この数字からも、ベルギー代表チームがディフェンスの質を重視した戦術が成功したと言えるでしょう。

※上記の参照となる各種の数字

ターンオーバー
ベルギー代表21個/日本代表17個

オフェンスリバウンド
ベルギー代表7個/日本代表8個

また、日本代表に対し、攻撃の回数でも極端に引けを取っていなかったことが分かります。

ディフェンスリバウンドの指標も、82%の確率で抑えることに成功しました。

日本代表は、ベルギー代表が積極的に飛びこんでこない中でも、ディフェンスリバウンドの確率は75%に留まりました。

ターンオーバーこそ、日本代表のディフェンスを前に、21個を計上してしまいましたが、引き締まったディフェンスリバウンドを継続する事で、量の部分でも大きな差を付けずに済みました。

もし、ここで、日本代表のeFG%が高ければ、ゲーム全般で見た際のベルギー代表のトランジションディフェンス戦術(それに関連するオフェンスリバウンドの考え方)は成功とは言えなかったはずです。63対43というスコア通りのスタッツといえるでしょう。

さて、本稿で、ベルギー代表チームのトランジションDFの分析は終わりとしたいと思います。

映像から読み取れるコンセプト、戦術の遂行されている様子等、少しでも参考になれば幸いです。

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