【片岡編集長】トランジションDFの向上を目指す17~ベルギー女子代表チームより~

スキルアップ チーム戦術 ディフェンス 指導法 指導者 片岡秀一 育成法

引き続き、U19ベルギー女子代表チームのトランジションディフェンスを分析していきたいと思います。

毎回ですが、前提となる条件をお伝えします。

日本女子代表チームは、2019 FIBA U19女子ワールドカップにて同チームと対戦した際、ファーストブレイクのポイントを0点に抑えられました。

同チームとの試合映像からは、日本チームの長所を出させない為のルールの設定と着実な遂行が見て取れ、非常に参考になる事が多いと感じています。

これまで、スプリントバックの徹底、インサイド選手のトランジションDF能力(コミュニケーション、状況判断、スプリントバック能力)、ディフェンスリバウンドの価値、インサイド選手がアウトサイドに位置した際のオフェンスリバウンドへの関与、ポジションや選手の特性によるオフェンスリバウンドの関わり方を考察しました。

今回は、上記を踏まえ日本代表チームがファーストブレイクを許した場面を題材に考察していきたいと思います。

上記動画について、日本女子代表チームはファーストブレイクからの得点を許しました。

動画での場面を「相手に守られた際のシュート」「スプリントバック」という観点から考えていきたいと思います。

◇相手に守られた際のシュート

動画の場面にて、日本代表チームは元々の意図したオフェンスを守られた状況と言えるでしょう。

途中、クローズアウトシチュエーションが発生した場面がありましたが、見事に守られました。

そこでPnRを呼び、シュートに持ち込もうと試みました。

この場面、あいにくPnRでも元々のマークマンをスクリナーに当てる事が出来ずに守られてしまいました。

こうなると、なかなか得点を決めることは難しいものです。

ベースライン方向に流れながら、何とかシュートを放ちました。そして、

そのまま、相手チームにDFリバウンドを奪われ、ボールマンのDFをしていた#4に走られました。

結局、#9とリングを結ぶラインに日本代表側の選手も間に合わず、ゴール下の2点を決められます。

◇スプリントバック

この場面、ベルギー代表チームの割り切ったトランジションDFとは対照的になってしまいました。

偉そうな表現になってしまいますが、日本代表インサイドの#14選手も、リバウンドに行くのかスプリントバックするのか、どっちつかずの状況になってしまいました。

飛び込みリバウンドに行こうとしたらエアボールになったので、スプリントバックに切り替えたというのが実際のコート上の動きになるでしょうか。

◇飛び込みリバウンドか、スプリントバックかの判断基準

いずれにしても、もし、このシチュエーションでのDFの改善策を考えるとしたら、「意図したオフェンスにならず、タフショットになった場合にはスプリントバックを優先する」という事が挙げられるでしょうか。

#14の選手がチームの為に身体を張って飛び込みリバウンドを試みようとしたわけでもある為、このプレーだけを取り出して良し悪しを言うのは浅い見方かもしれません。

しかし、少なくとも#4のファーストブレイクは防げたかもしれません。

飛び込むべきシチュエーションか、スプリントバックを優先するかの線引きをチームで共有しておく事の重要性が分かる場面です。

◇コーナーにいるアウトサイド選手、反対サイドのセーフティー

それ以外には、反対サイドの45度付近に位置した#11、ボールサイドのコーナーの#2番の選手のようなケースで、改善策があるといえるでしょうか。

いずれも、エアボールをしたため、直ぐにボールを保持されて非常に難しい状況ではありましたが、オフェンスリバウンドに飛び込まないと判断をした時点で、「ノーマークのゴール下の2点」を防ぐための最善策を確実に遂行する事が求められる場面と言えるかもしれません。

#11の選手は、#4とリングを結ぶラインを埋めるつもりでスプリントバックでセーフティーに戻る。ボールサイドのコーナーに位置する#2番の選手は、飛び込みリバウンドに行かない、または飛び込んだとしても有益ではない状況だと判断をした際には、一目散にスプリントバックする事の重要性が分かるシーンと言えるでしょう。