【片岡編集長】トランジションDFの向上を目指す12
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~U19ベルギー女子代表チームの考察1~
2021年となりました。何卒、本年も宜しくお願い致します。
引き続き、トランジションDFについての考察を進めていきたいと思います。
2020年末に、日本バスケットボール協会の主催でコーチカンファレンスがオンラインで開催されています。
その際、女子のアンダーアテゴリー代表チームでHCを務める荻原美樹子コーチも登壇。
2019年U18女子ワールドカップでの日本代表の取り組みや、諸外国の傾向、そこからの学びが報告されました。
日本代表の女子チームは世界の強豪国からマークされる存在になった事。
特に、日本のファーストブレイクやアーリーオフェンスへは各チームは非常に強い警戒心を抱いているようです。
特に、決勝トーナメントで対戦したベルギー代表チームの日本対策は徹底されていたようです。
事実、この試合で日本代表のFB(ファーストブレイク)ポイントはゼロ点に終わったと報告がありました。
講習会では、上記の事実を基に、下記の2点が主に紹介されました。
1)ベルギー代表チームのスプリントバッグの質。
特に、コーナーにいるオフェンスプレイヤーがリバウンドに参加しないケースでの質の高いスプリントバッグが強調されました。
それに付随し、オフェンスリバウンドとトランジションDFの相関性を意識したチームルールの徹底。
2)ストップザボールの質の高さ。
いずれの2点も、基本的なコンセプトについては、本記事シリーズで何度もご紹介させていただいた項目となります。
本記事では、ベルギー代表チームのトランジションDFの好事例を題材に、さらに具体的に掘り下げていきたいと思います。
◇5番選手の危険察知能力の向上はチームDFアップに直結する
ベルギー代表チームのプレーで印象に残ったのは、5番ポジションを任される選手の危険察知能力とDFにおけるバスケIQです。
上記動画を見ていきましょう。ベルギー代表チームは、ゴール下でシュートを打った後に一目散に自チームリングに向かって走ります。
日本代表チームは素早くボールを前方に運びますが、シュートを打ったインサイド選手もボールラインに間に合っています。
ドリブルインで仕掛けてくるかもしれない選手の様子を伺いつつ、自分のマークも見ています。
3Pエリアよりも2、3歩ほど遠い時には、ボールマンを優先。自分のマークマンが3Pエリアやペイントエリアに侵入した際には、自分のマークを優先しています。
その後、日本代表チームがボールを回しカウンタードライブを仕掛けます。
ここでも聡明な状況判断が見て取れます。
抜かれた時に備えつつ、マークマンが抜かれないと判断するや自分のマークを優先します。
その後、別のアタックに対しては、マークマンが抜かれた事を判断の上で、ゴール下の守護神としての働きを見せます。
結果、見事なブロックショットを決め、ルーズボールも獲得。その後の日本代表チームのルーズボールファールを誘いました。
このようなケースに遭遇した際、恵まれた体格やサイズを引き合いにする事は簡単です。
ですが、この数10秒間の中、失点の危機をわずかでも減らすために献身的に走って戻り、同時にコート上の敵・味方の状況を捉え、かつ失点をしない為のベストな選択をし続け、そして最後は抜群のタイミングでブロックを成功させている事が分かります。
私見ですが、仮にこの選手があと5センチほど小さい選手でも、この場面で守備を成功させたのではないでしょうか。
チームのトランジションDFを向上と、インサイドプレイヤーのDFにおける状況判断能力等を高めることの重要性を感じさせる場面でした。
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