【片岡編集長】コート上の危機を察知し、失点のリスクを潰す。

スキルアップ ディフェンス 動画 戦術 片岡 秀一

リスクを潰す事で発生する次の危機も予測。素早く対応。

今回も、女子代表チームの的確なDFを軸に、コート上の現象に潜む考え方や、発想と行動の流れを分析してみたいと思います。

抽象的に表現にすると「刻一刻と状況が変わるコート上にて、最も危険な箇所を察知する」という作業と「必要とあらば危機を回避する。また、それによって発生する別の危機に対して最大限の対処をする」という2段階になると考えます。

◇前提となる条件

・このゲームの女子代表チームは、SIDE PnRにはICEで対応。
但し、ICEに対してPOPされた際、2回目のPnR(Transfer PnR)にはDrop+Chase(センターのマークが下がる。元々のマークマンが追跡してシュートを防ぐ)方法で対応
–ここまでが本ゲームの女子代表のベース

◇コート上の現象

・SIDEのPnRへの対応。スクリナーが高い位置からBall Screenに来たシチュエーションでありICEが難しいケース。ベースラインへ鋭いドライブに対し、失点の危機を察知。Switchで対応。

・G対PF選手のマッチアップになった事を自覚し、ポストアップされないようにすぐに対応。フロントに立ち、パスコースを潰す。

・危機を回避後、ボールが反対サイドに展開。その瞬間、マークマンをフリーにしない事を留意しつつ、元々のマークに戻る。ミスマッチの解消(画面手前)

・2回目のPnRに対し、Drop&Chaseで対応。スクリナーのDiveに対し、吉田選手がHelpの用意。Diveにパスを出さないと判断した時点で、迷わず、元々のマークマンにダッシュでクローズアウト。

※この時点で、「自分が潰している危機」と「それによって発生する別の危機」を把握。オフェンス側の選択肢を把握し、DF側の歪みを把握している為、決断も早い。

◇総括

上記は各選手の判断力と決断力が滲み出た素晴らしいDFだったと感じます。冒頭に記載したように、「刻一刻と状況が変わるコート上にて、最も危険な箇所を察知する」・「必要とあらば危機を回避する。また、それによって発生する別の危機に対して最大限の対処をする」

という2ステップを的確に踏めているからこそ、瞬間の判断が早くなるのではないでしょうか。

このような素晴らしいDFを構築する為、次のステップとしては「刻一刻と状況が変わるコート上にて、最も危険な箇所を察知する」について、察知している危険な箇所の妥当性やチームでのすり合わせや、「危機の回避方法」の共通認識の構築が大事になるはずです。

ひとまずは、女子代表チームの現象より、私が推察する、各選手の思考や行動の推移を紹介できれば幸いです。

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