【梅原トレーナーのからだづくり哲学】食べるトレーニングを考えよう!「栄養素を単体で見てはいけない(上)」

スキルアップ トレーニング 指導法 梅原 淳 育成法 食トレ

この梅原トレーニングレポートでは、體づくり動きづくりのテーマを中心として、それに関わるあらゆるジャンルを対象としています。

どうしてかというと、物事は一つだけで存在していないからです。

私たちの生活では、つねにそれぞれが繋がり、影響を与えまた与えられという関係によって成り立っています。

ですからときに学校の話をしてみたり、ときに人付き合いや生き方について考えてみたり、一見するとあちらこちらに飛んでいるようで、じつはすべて私の身の回りにある関連した出来事から紐付いて書いています。

最近に書き始めた「食」のテーマも、アスリートであるあなたの中心課題の一つですね。競技成績を伸ばす上で體がなにより資本ですから、みなぎる肉体を育てるために食事を考えることは必然のことです。

この食にまつわる話を、今日は考えてみます。

偏った栄養の摂り方をやめましょう

近年、世間でも運動ブームが起こり、栄養に関する話題も、これまではダイエットに紐付いたものだけであったのが、積極的な健康づくりやたくましい肉体をつくるトレーニングとセットにした内容にスライドしています。

TVやネットなどのメディアにおいて、一般には難しい名前の栄養成分などが当たり前に紹介されています。

それを見た私たちはどうするかと言うと、その成分を摂るためにTVで紹介されていた食物を多量に食べたり、手っ取り早くサプリメントを飲んだりします。

でも、ちょっと待ってください。やる気になっているところにとても言いづらいのですが、それはあまり効果を得られません。

いえはっきり言いましょう。ほとんど意味がありません。

言葉は悪いですが、いまちょっと横行している偏った栄養の取り方をやめませんか

本線から反れた、大きく反れまくった安易な情報に踊らされてしまうことを、このささやかなレポートで少しだけ食い止められないかと思っています。

人の世に広がるものというのは、つねに手軽で結論が付いている情報ばかりです。

それは取捨選択されるというだけでなく、人間は事実を変えて、難しい話を簡潔にしてしまうという危険も孕んでいます。

善悪の決めつけは安易

世間というものは情報を深く見定めずに取り込み、いつしかポピュラーになって事実の如く扱われます。

私の尽くすスポーツの世界では、體づくりといえば筋肉、筋肉づくりには良質なたんぱく質、だから参考書には決まって牛乳と卵が書いてあります。

でもそれ、ほんとですか?

主に女性が、ダイエットや健康美を手に入れるために野菜を食べる。さらに栄養成分は熱を入れるとダメになるので生のままで食べたい、だからジューサーであらゆる世界の野菜を混ぜて飲む。それが主食。

毎日毎晩、ごくごく飲んでいますけど、正しいですか?

必要な栄養素という点は正しいことです。しかしだからといってそればかり体に入れて、食べた分だけプラスになるということでは決してありません。

食事(栄養を摂ること)には、その人なりのペースがあります。たくさん食べたからその分役に立つものではありません。

もちろん運動量や筋量などの増加により変化は起こります。

しかし原則として、体にとって必要な栄養源の摂り方は、まんべんなく食べることが基本です。食べるものは一物全体でいただくのがよく、そうしていれば自然と栄養のバランスは整うのです。

つまり本来は、昔から食べられている基本的な日本人の食事が一番望ましいと言えます。

これはスポーツ選手でも本当は同じです。

アスリートでも基本は同じ

アスリートは一般的な生活者よりも多くのエネルギーを使っています。そのための筋力なども高くなっています。

反対に運動量・活動量の減っている人、お年寄りや体力をあまり使わない生活になっている人は、出すエネルギーも少なくなります。筋力も減ります。

栄養はそれに合わせ、必要ならばプラスもしくは落としたりすれば良いのです。

「筋肉にはとにかくたんぱく質、でも脂肪はダメだからささみがベスト」と言って、やたらそればかり食べている人。

食事のことは気にしないが、プロテインだけは飲みまくる人。

関節の痛い人が、それを改善するのにコラーゲン、さらにグルコサミンだコンドロイチンだと小難しい栄養素を取るために、手早くサプリメントを使う。

このようなことが起こるのは、食の基本が抜け落ちて、本来は補助的な情報であるはずのものを真ん中にしてしまうからです。

それはあなたの望む方向には進みません。

だからこそ、不肖トレーニングコーチの端くれが食べることのレポートを書いています。

筋量が多くて必要ならば、たんぱく質を摂るために肉をたくさん食べることは良いでしょう。ただしそれを食の中心とすることは、あなたを壊してしまいます。

その原理原則は、炭水化物も、たんぱく質も、脂肪も、ビタミンも、ミネラルも、食物繊維も、水分も、すべて同じです。

食べることはあなたが考えているよりももっとシンプルです。

些細なことに囚われず、もっと楽に余裕をもって體づくり健康づくりをしてください。

(了)

ご質問・お問い合わせについて
いつもブログ記事を読んでいただき、ありがとうございます。バスケットボール上達塾では、バスケットボール上達のためにブログやSNSで情報発信をしています。また、バスケットボール上達のためのDVD教材の販売も行っております。バスケットボールに関するご質問やお問い合わせ、ブログ記事に対するコメントなどがありましたら、下記のメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
メールアドレス:info@basketball-school.jp
この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
持久系プロテイン

ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら