【梅原トレーナーのからだづくり哲学】TR No.73「とにもかくにもスクワットを身につける」

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不肖私は日々、全国の高校を回り、主にバスケットボール部(男女問わず)の体力指導を行っています。

体力指導と言ってしまうと、長距離を走らせたり筋トレをさせたりと、ただひたすら肉体を鍛え上げることのように想像する方が多いでしょう。

しかし実際は、たとえば関節柔軟性にアプローチをし、上手な體の動かし方を教え、体重移動やボディバランスといった複雑にして緻密な運動能力に焦点を当てているのです。

どのようにして選手の身体的な力が発達していくかは、決して一様ではなく、多くの要素が影響し合い、またそれらの総合力として現れるものです。

その上で、10年前もたった今も変わらず貫かれている原則があります。

どのスポーツ種目においても土台となる体力、運動にとって一番と言っても良い体力要素は、
スクワットができること
です。

股関節を曲げて深くしゃがみ、腰を入れてグイッとお尻を張れる力強い踏ん張り、それはスポーツ競技力を高めようとする者であれば、必須の基礎体力、基礎の運動能力と言えます。

運動の器用な人、能力の高い人は皆、股関節が機能しまた力があり、腰も強いのでスクワットのしゃがみ込みなど簡単にできてしまいます。

つまりスクワットができるかどうかは、単に筋力の有る無しの話ではなく、運動能力の高さを物語る指標なのです。

次の動画をご覧ください。

(動画1)

ある高校バスケットボール・チームでのトレーニングの様子です。

これが、足腰が強いと次のようになります。

(動画2)

このチームでも、バスケットボールを上達させるための様々な身体的アプローチを行っていますが、どんなトレーニングであっても根っこにはスクワットがあります

すべてのトレーニングの土台にはスクワットがあり、また行き着く先にもやはりスクワットのできるできないが伸び具合を左右します。

ジャンプスキルを伸ばす練習をしても、ディフェンスフットワークを磨く練習をしても、コンタクトに強くなる練習でも、常に基本はスクワットです。

スクワットの出来具合によって、運動の技量を上げられるか否かが決まるということを、20年近くの現場経験から学びました。

今度は女子選手のほうをご覧ください。股関節を鍛えている場面です。女子だって力強くスクワットします。

(動画3)

(動画4)

股関節と骨盤、お腹周りは體の中心です。全身運動をする上では動作は體の真ん中から起こる必要があります。

走ること、跳び上がること、投げること、止まること、ラケットやバットで打つこと、方向転換や体勢保持の力に至るまで、體の中心の強さや動きで決まります。

そして陸に生きる人間は、基本的に地面の上に立って活動するのですから、体重を支える能力は必然であり、さらに運動で體を大きく動かすとなれば、腰を落として深くしゃがんでもしっかりと踏ん張れる強さは、必要最低限です。

だから昔から、体力のあることを「足腰が強い」と表現しますね。

それすらできないようでは、運動を伸ばすことなどゆめできません。

相撲の関取だからスクワットが必要なのでしょうか? ウエイトリフティング選手だから必要なのでしょうか?

いいえ、あなたがどんな競技を行っているとしても、スクワットはあなたの運動技能向上を力強く後押ししてくれます。だから男女も年齢も関係ありません。皆に必要です。

スクワットはただ太ももの筋肉を太くするためのものではなく、運動能力全体を磨き上げていくための礎、スクワットは運動の命です。

(了)

 

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