【片岡編集長のプレイブック】フィニッシュの選択肢を増やし、スピードのミスマッチをフル活用する
過去数回の記事では、相手チームから得点をする為、女子代表チームがサイズのミスマッチとスピードのミスマッチを有効的に活用している事、及び、その事例を何パターンかを紹介しました。
しかし、私が女子代表チームを観戦してきた中では、はじめから国際大会の上位レベルでスピードのミスマッチを有効的に活用できていたわけではありません。
2018年にスペインで開催されたFIBA女子ワールドカップでの中国代表チームとの戦いでは、on ball screenに対してSwitchで対応された後、なかなか得点をする事が叶いませんでした。
結果、ベスト8決定戦で中国代表に 81-87で敗退しています。
しかし、その翌年、2019年のアジア選手権では、見事にリベンジを果たし、4連覇を成し遂げます。
その試合で光ったのが、試合終盤での本橋選手の得点力、及び、それを活かすための女子代表チームの共通理解でした。
さらに特筆すべきは、本橋選手自身の得点バリエーションの豊富さと言えるでしょう。
ゴール下へとドライブインをした際、相手のHelp DFが少しでも遅れていればリング下まで果敢にドライブをし、かつ、高確率でシュートを決め切る能力が大きな魅力です。
試合映像を見ると、本橋選手は1ステップのショットを上手く活用している事が分かります。
国民的バスケ漫画でも「庶民のシュート」と呼ばれていたレイアップは、これまで、1、2と2歩のステップを踏んでシュートをする事が一般的でした。
しかし、ドリブルを止めてボールを保持した後、本橋選手は1歩のステップでシュートまで持ち込むスキルの持ち主です。
特に、MVPのハイライト映像でも取り上げられた下記の場面は、大会のハイライトの1つにもなっています。
1歩でシュートする事の利点は、サイズのあるDFがジャンプのタイミングを掴みにくい事です。1、2歩のランニングステップであれば、1歩目を踏んだ瞬間にタイミングを合わせやすいです。
1歩でボールを離すからこそ、DFにとっては、ジャンプのタイミングを合わせることが容易ではありません。
勿論、ボールをコントロールする為に、ボディバランスやボールハンドリングを養う事は容易ではありません。
しかし、ゴール下で得点する為の必須のスキルとして取り組むことで、得点数の増加が見込めます。
また、それに伴い、相手チームのDFをゴール近郊に収縮させる事にも繋がるでしょう。結果、アウトサイドからの3Pシュートも増えるはずです。
本橋選手はスピード力が脚光を集めることが非常に多い選手です。
スピード力が大きな魅力である事には変わりありませんが、シュートのステップを使い分ける判断力やボディコントロール能力がワンステップでの高確率のシュートを可能にさせていると感じます。
コーチにとっては研究に値する項目であり、選手にとっては、自分のバスケットボール人生の可能性を拡げる為にも必須で習得すべきスキルと言えるでしょう。
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