【片岡編集長】FIBA-OQT決勝「リトアニア対スロベニアより1」
東京五輪がいよいよスタートしました。
執筆時点(7/25)では、男女の3×3代表チームは初戦を終えて、共に1勝1敗で予選リーグを戦っている真っただ中です。
さて、本稿よりFIBA OQT(オリンピック最終予選)リトアニア会場の決勝戦となったリトアニアvsスロベニアの試合より、ドンチッチ選手のプレーに着目していきたいと思います。
以前にも本記事で注目の対戦カードとして取り上げておりました。
結局、試合としてはスロベニア代表が見事な試合運びで東京五輪への出場権を獲得しました。
日本vsスロベニア戦を観戦する際の着眼点の参考にしていただくこと、及び、卓越した判断力を持つドンチッチ選手の魅力が伝われば幸いです。
今回は、上記の試合でも有効に機能した「スペインピック&ロール」の攻防に焦点を当てて、考察していきたいと思います。
1、構図
2、プレーの流れ
ドンチッチ選手に対し、インサイドの選手がスクリーンをセットします。
その後ろに別の選手がスクリーンの用意をします。狙いはX5の選手です。「スペインピック&ロール」と呼ばれるプレーの基本的な形です。
X5の選手に対して見事にスクリーンがセットされ、身動きが取れませんでした。スカウティングや対応策も十分で無かったのでしょう。
ゲームの序盤ということも影響していますが、ものの見事に狙い通りのプレーとなりました。
動画の一つでは、コーナーのディフェンス(X4)がドンチッチ選手をヘルプしようとするタイミングを狙い、コーナーへと的確にパスを展開しています。
非常にシンプルなようで、ヘルプを試みる可能性のあるディフェンス選手、及びそのマークマンである味方の選手の位置を把握していることが非常に重要です。
3、まとめ
「スペインピック&ロール」の攻防には、様々な駆け引きがあります。
今回は、非常にシンプルなプロセスを経てシンプルな結末となりました。次回以降に様々な事例を共有していきます。
近年では、「スペインピック&ロール」を試みる前の動きが非常に複雑化してきました。
しかし、このゲームではスロベニア代表は非常にシンプルな形で試みます。
リトアニア代表も様々な策を講じますが、ドンチッチ選手や周りの判断力が非常に素晴らしく、見事に得点を重ねていきます。
相手を困惑させる複雑なフォーメーションも有効ですが、的確で質の高い判断力の重要性も伝わるはずです。
ここで、X3の選手の動きに注目してみましょう。
プレーの場面で、リトアニア側はディフェンスの連携にミスが発生していたと思います。
しかしX3の選手は、5番の選手がインサイドに飛び込む動作に対し、バンプをして遅らせています。
細かな動きですが、今後の攻防を考える際に肝になるプレーです。
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株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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