【梅原トレーナーのからだづくり哲学】風邪は治すではなくひかせないのが真のアスリート その1

スキルアップ トレーニング 指導法 梅原 淳 育成法

いかに普段から體を鍛えているアスリートとは言っても、風邪をひくことはある。体調が優れず、鼻がグズグズ、喉が痛い、熱っぽい、胃腸が重苦しい、全身が気怠いなど、体に疲れが出てしまうことが時折あると思う。

そんなとき、あなたはどのようにしてご自身の体調を回復させているだろうか。

大抵のものは休んでいれば数日で治ることは確かだが、アスリートならばさらに積極的に回復のアプローチを行なっていきたい。

さらに申せば、なったら治せばいいという軽率さよりも、不調を招かない心がけをする堅実さを備えた選手を、運動の専門家の端くれである私は期待する。

あなたは風邪っぽくなってきたり、体が重いなと感じたらどう対処しているか。

きっと・・・・ごめんなさいね、きっとダウンするまで養生もせず、ほったらかしているのではないかと懸念する。

病気が本格的になる前に、初期症状で終わりにしようと努めている人は賢明だ。おそらく、なぜ体調が崩れたのかにも目が向いているだろう。原因は必ずあるから、それを学び今後は予め用心しておくに違いない。

失敗から学ぶ、誰かがそう言っていたが、まさに過去の経験を糧にして未来に活かせる人は、体調管理についても自分を律することができるのだと思う。

▼體は自然と良くなる

さて、この「梅原トレーニングレポート(UTR)」は私たちのスポーツライフで起こる様々な問題を、具体的かつ深淵まで掘り下げて、正面から向き合い考えることが本分だ。

ここでもアスリートの体調管理というものを抽象的に話して済ませるのではなく、実のある話として「では何をすればよいか」に言及して解決の糸口を見つけていきたいと思う。

生き物の體には、自ら過ごしやすい環境・状態をつくろうという作用が働いている。

草木が誰の手も借りずにすくすくとたくましく伸びていくのを見ればわかりやすい。生命活動というのは当然ながらより強い自分に成長すること、より良い状態を作っていくこと、そのものだ。

生命は、良くなっていくようにできている。

病気に対しても、やられっぱなしではなく自分でそれを退治しようと活動が起こる。免疫細胞が働き、體を攻撃したり弱める悪いものを滅しまた外に出してくれる。

その力を、私たちは最大限活用することをすれば良い。

▼基本はあたためること

変な言い方だが、體の中で自主的に私たちの細胞が體を浄化・強化してくれていて、私たちはそれをサポートする役目を担っている。

自分の代わりに體の中の護衛隊が悪いものを退治してくれている。その彼らが毎度、元気でパワフルに動き回れるように、彼らの活力を漲らせてあげること、それが主人である私たちの仕事だ。

具体的に言おう。

細胞の力の源は「熱」である。冷たいと活動が鈍くなり、あたたかいと活発に働く。だから私たちは自分の體をあたためる必要がある。

免疫機能はじめ器官が力漲って活動するためには、あたたかい環境を用意してあげなくてはいけないのだ。それは主人である私たちの任務である。

ダイエットなどでよく体重を気にしているが、本当に期待する体型をつくるためには筋肉や骨、内臓、血液が生き生きとしなくてはいけない。

そこに質量など一切関係性はなく(体重増減は結果)、見るべきはあたたかさ、つまり「体温」ということになる。

▼体温が上がった

あなたの体温の平熱はどのくらいだろうか。日本人の理想は36.5〜37.0度ということだ。もちろん少し高い分には良いだろう。しかし低い人は、體の中の護衛隊が弱くなっているかもしれない。

彼らにしっかりあなたの城(體)を守ってもらうためには、彼らをあたためてあげる必要がある。しかしその大事な体温が今、日本の中で平均がどんどん下がっているという。

かく言う私も、子どもの頃の平熱は36.3度くらいだったと記憶している。36.7度になると少し體が辛く、微熱と認識していた。

今は37.0度を目指して生活しているので、36.3度くらいだと寒く体調が優れない。体温が低い場合は、風邪の予兆と捉えている。本当に、なんとも不思議な変化である。昔と逆さまになってしまった。

私は自分の努力で好転したから良いが、現代日本人の平熱は低くなっている。明日を担うスポーツ選手たちに平熱を聞くと、36度台前半、ときに35度台という回答もある。これがただ一人二人の希なものではないのが辛い。

體の内側の強さは体温で決まる。内側が強ければ外も強くなる。

皆さん体温を上げてください。

▼何が体温を下げているか

では実際にどうやって体温を上げるのか。體をあたためる方法に話を進めよう。

その前に、まずなぜあなたの体温が低いのかを考えてみたい。

こういうものに専門的な知識は要らない。心当たりを探して日々を振り返ってみればいい。

字数が増えてしまったので、次号にて。

(了)

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