【梅原トレーナーのからだづくり哲学】一人になれない

スキルアップ チーム作り トレーニング メンタル 指導法 指導者 梅原淳 練習メニュー 育成法

以前、教育評論家の尾木直樹さんが「いまの子供は鬼ごっこができない」「一人になるのが怖い」という話をされていました。

先日、私の身の回りでこれと似たような状況がありまして、細かくは申せませんが、わずかでも皆さまの助けやきっかけになればと思いますので少しお話したいと思います。

▽30名で一斉にトレーニング

あるチームにて、ウエイトルームで2時間ほどのワークアウトをおこないました。公立校ですが体育館脇の部屋に、バーベルなどの設備があります。と言っても教室二つ分もないくらいのスペースですので、バスケ部30数名でトレーニングをするには手狭です。

その日はバスケ部に加えて、陸上部など他クラブの選手も来ていました。私のトレーニングメニューは様々なものがあるので、この部屋でしかできないということはありません。バーベルを使う種目は主にウエイトルームでおこないますが、部屋の外や校舎の廊下など、どこでもおこなえる種目がたくさんあります。

全体で取り組み方のバランスを取りさえすれば、部屋が狭くても部員が多くても、動きが詰まることなくスムーズに一連のトレーニングを進めることが可能です。

▽ヒントもあげたが

この日も練習前にその旨を選手に伝えました。当然、先輩の2年生が優先で1年生はあとからなんていうことも一切排除します。もう最近は部活動に年功序列の雰囲気もあまり感じませんが、場所や道具の占拠をしないよう念を押しておきます。チーム皆でフェアに、かつ各自がうまく段取りをしてほしいと話をしました。

この場合、たとえば各学年の半分がウエイトルームでもう半分が外とすれば、あとは状況を見て順次入れ替われるので上手な時間の使い方ができると、コーチとしては考えていました。

しかしどうしてか1年生は、始まりと同時に部員20名ほどがみんなで一緒に外へ出て行きました。中からトレーニングを始めるものは一人もいません。

1年生がいなくなってウエイトルームは2年生と数人の他クラブの選手のみとなり、少しガランとしました。随分余裕ができて、器具に余りが出ています。

これでは時間後半のウエイトルームは、1年生全員が入るので混み合ってしまうことになります。

▽全員で動く1年生

部員30数名に対して、ベンチプレスは5台、スクワットラックは2台、オリンピックシャフト20kgが10本、15kgが4本、部屋のスペースは教室1.5倍ほどです。

学年によってもちろんメニューも違います。バーベルなど器具を使う種目が多いのは2年生だし、種目数とセット数も2年生のほうがたくさんあります。

2つの学年が同時にスタートしても部屋を長く使うことになるのは2年生であり、トレーニング全体もより時間が掛かるので、学年単位で時間を区切って入れ替えることは絶対にできません。1年生と2年生では内容が大きく違うのです。

だからこそ各自で判断して、空いているスペースや器具を埋めて選手相互に分け合って進めることが必要だと話したのですが・・・・。

細かく指示をしないと(いや本当は細かく言ったはずでした)、必ず学年で固まってしまいます。

同学年はおこなう内容が同じなので気持ちも分からなくはないのですが、20数名が皆ひと固まりになる必要はありません。場所はあるのだから、5人ずつの4,5グループにでもなれば速やかに物事は進むはずです。

しかしどうしても全員でだんごになりたいようで、個で動くことがまるでできませんでした。

▽全体主義的な今の子供

この1年生というのは、じつは以前から常に全員でくっついて動く習性がありました。群れたいのか、そうしないと怖いのか、評論家の話が本当かどうかはさておき、いずれにせよ集団で一緒に動くクセがあることはたしかです。

私はよく「一人になれ」「孤独になれ」と、自分で物事を考え決める訓練をするためにあえてそのように言うことがありますが、たとえ一人きりではないにしても、物事は二人三人と必要なだけの数で良いはずです。

しかし最近の子供は全体に合わせるクセがついているのか、どのチームにおいても大勢で固まっている様子をよく目にします。横一列と言おうか、何をするにも集団で一緒になる、皆で同時に行う、統一して同じ事をする、そんな光景を毎日見ています。

他人の動向を見てしか動けない、全体の雰囲気に沿う、人真似をする、これでは周囲に合わせることばかりになってしまいます。一人の日本男子としては、なんとも情けなく、ちょっと悲しくもあります。

私たちの日本国は、2,000年を遡る太古からオリジナルな民主主義を作り上げてきた世界一の自立した国ではないのですか。ある意味で日本の未来にとって危険な兆候でもあると、本気で心配しています。

と同時に、これは私たち先に立つものの責任でもあるのです。

▽仕事は一人でやる

練習前に体育館で準備をするときに、皆でモップを掛け、皆でボールを出し、皆でカーテンを閉めますか?

必要な人数がいれば良いのであって、仕事は役割分担をしてそれを同時におこなうからこそ短い時間ですべてが片付きます。

普段の練習においても、プレイヤーとしての個がまったく見えず、皆が皆、全体に合わせようとしている様子がうかがえます。何かを始めるとき、常に周囲を見渡して他人に合わせようとしていて、しかし皆がそうだから先頭を切る者がなく動きがフリーズしてしまうのです。

コーチの話を自分の耳で聞いて、自分の腹に落とし込んで考えどう動くかを一人で判断してもらいたいと、不肖ながら私から選手にいつも伝えています。

人が動いたから自分も合わせてとか、みんなで内容もタイミングも順番も一緒にとか、周囲に紛れ込むばかりで一向に自分の姿を見せない人間が多いことを、日本の未来への不安として私は小さくない焦りを感じています。

▽個というものの真理

人とつるまず、仲間で群れず、たとえ仲は良くとも発言や行動はすべて自分のものであるから、本来目の前の事はなんでも自分一人でするものです。

常に最後は誰にも意見を言わせず何にも流されることなく、己の判断・決断・実行で動いてください。

小さい頃からそういうことを経験して訓練していくことで素養が身につき、大人になってからそれが役に立つのです。思春期を過ぎてしまえば、きっともう手遅れでしょう。

自立を生み、オリジナルをつくる。それらは若い頃からの「一人」の経験が重要です。なんでも人と一緒、みんなで同じ事をして同じ方向へ向かう、一人では怖いから一緒に歩いてくれる仲間がほしい。それは自己を見捨てる責任放棄であり、仲間を道連れにしている行為です。

ぜひ「一人」になって、自分だけの感覚で世界に触れてみましょう。

はじめは怖いかもしれませんが、自立するためには踏み出すしかありません。ふわっとした「全体の意見」に倣うのをもうやめて、自分で決めたあなた自身の生き方をしてほしいと思います。

(了)

 

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